『マツダオールスターゲーム2011』第1戦が22日、ナゴヤドームで行なわれた。序盤は効率よく得点を重ねた全パが試合の主導権を握るも、中盤に全セが一発攻勢で逆転。オールスター最多記録となる1イニング4発をマークし、初戦を制した。
◇第1戦
 武田勝、1回1/3を10安打9失点と大炎上(ナゴヤドーム)
全パ   4 = 111000100
全セ    9 = 00018000×
勝利投手 山口
敗戦投手 武田勝
本塁打  (パ)稲葉1号ソロ
       (セ)荒木1号2ラン、畠山1号3ラン、バレンティン1号2ラン、長野1号ソロ

「心をひとつに。力をひとつに。」――3月11日に起きた東日本大震災の被災地の復興を願い、夢の球宴が開幕。初戦は7年ぶりの開催となるナゴヤドームで行なわれた。
 初回、まっさらなマウンドに上がったのは全セの先発に起用された岩瀬仁紀(中日)。年に一度、オープン戦では先発をしているという岩瀬だが、シーズン中での先発はプロ2年目の2000年にわずか1度だけ。オールスターでも落合博満監督は“オレ流”を貫く采配をふるった。

 その岩瀬がいきなりピンチを迎える。先頭打者の川崎宗則(福岡ソフトバンク)に2球目の変化球を右中間へ運ばれた。これをセンター青木宣親(東京ヤクルト)とライト長野久義(巨人)の連携がかみ合わず、後逸してしまう。この間に川崎は三進し、次打者・本多雄一(ソフトバンク)の内野安打の間に川崎が先制のホームを踏んだ。全パは2回表、全セの2番手・江尻慎太郎からも糸井嘉男(北海道日本ハム)のタイムリーで1点を追加した。さらに3回表には前半戦、リーグ新人記録の18ホールドをマークした榎田大樹(阪神)から稲葉篤紀(日本ハム)がソロホームランを放ち、リードを広げた。投げては先発・寺原隼人(オリックス)が3回を1安打無失点に封じる完璧なピッチングを披露し、序盤は全パが主導権を握った。

 しかし中盤、全セが猛攻を見せる。4回表、4番手・久保裕也(巨人)が初めて3人で終わらせると、その裏、全セは2死から村田修一(横浜)がシーズン中同様に、相手ミスを誘う全力疾走で内野安打をもぎとった。続くバレンティン(ヤクルト)が、この回からマウンドに上がった2番手・武田勝(日本ハム)の外角低めのチェンジアップにうまくバットを合わせ、センターへ。再び全力疾走の村田が一気にホームへ返り、全セが1点を返した。そしてこの試合のハイライトは5回裏だった。前半戦、リーグトップの防御率1.21を誇る武田勝から全セ打線が大量得点を奪う。まずは1死一塁から荒木雅博(中日)が同点弾を放つと、1死二、三塁から畠山が初球をフルスイング。打った瞬間にそれとわかるホームランで勝ち越した。さらにバレンティン、長野にも一発が飛び出し、全セはこの回一挙8点を奪った。

 ここで全パは武田勝に代えて、注目のルーキー斎藤佑樹(日本ハム)をマウンドに上げた。大歓声を浴びて登場した斎藤は井端弘和(中日)を内野ゴロに打ち取るも、相川、荒木に連打を浴び、2死一、三塁とピンチを迎えた。しかし、マートンを内野ゴロに打ち取り、なんとかしのぎ切った。斎藤は6回表も先頭の青木にヒットを打たれるも粘りのピッチングで無失点に封じ、完全に傾きかけた全セの流れを断ち切った。

 その後、全パは森福允彦(ソフトバンク)、岸田護(オリックス)とつなぎ、全セに追加点を許さなかった。7回表には坂口智隆(オリックス)のタイムリーで1点を返した全パだったが、やはり5回の大量失点が大きく響いた。結局、全セが9−4で打ち勝ち、初戦を制した。MVPには逆転3ランを放った畠山、敢闘賞には2安打3打点と勝利に貢献したバレンティン、そして全パの先発を担い、好投を見せた寺原が選ばれた。第2戦は明日、QVCマリンで開催される。