パーソナルスペース

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先週の清純カフェ担当のスタッフAさんは飼っているワンちゃんの毛が洋服につくようになると季節の変わり目を感じるとのことでした。私は街を歩く人々のファッションで季節の変わり目を感じながら楽しんでいます。

特に夏から秋に変わる今頃は、世の女性たちがオシャレになっていくので大好きです。ラフなスタイルからカーディガンやコートを羽織る。サンダルから段々とブーツが増えていく。素晴らしいじゃないですか。人々のファッションのオシャレ度に比例して、街も少しずつオシャレになっていき、もう少しすればイルミネーションが心を温めてくれる季節がやって来る感じが大好きです。少し前に彼女と別れてしまったので、一緒に過ごす人がいれば文句なしなのですが……。

先日も、「秋めいてきたなぁ」と電車の中で人間観察をしていると、ある事に気付きました。

「え!? みんな、イヤホンして、スマホいじってる!?」。これに気づいた時は、世界が変わって見えました。突然、異様な空気に飲まれたとさえ、感じたほどです。

その時の状況を鮮明に覚えています。終電だったこともあり、その車両には私を含めて8人でした。他の方たちはみんなイヤホンをして各々の時間を過ごす。この状況に気づいて本当にビックリしました。私の中で、音楽再生機器はMDプレーヤーで止まっています。そのため、現代の音楽再生機器を使いこなせている人々への羨ましい気持ちと、電車の中も今や、パーソナルな空間になっているんだと、何だか不思議な気持ちになりました。

そこで私は考えました。「みんなは、音楽を聴いたり、スマホを見たりで、自分の目の前をパーソナルスペースにしているのであれば、それ以外の空間(この車両のほとんど)はオレのパーソナルスペースなのかもしれない」

そう思った私は実験がてら電車の中で鼻歌を歌いました。「どうせみんなは、イヤホンをしていて聞こえていないだろう」。緊迫した中、選んだ曲は碧いうさぎ。サビは歌いきることが出来ました。

「やはり……な」。歌い終えた私は、ある一定の手応えを感じました。みんなは、目の前のスペースに集中していて、その他の空間のことはさほど気にしていないのだなと。この車両の空間のほとんどが私のパーソナルスペースなのだと。

もし、私の鼻歌を誰かに聞かれていたとしても、構いません。ポジティブに捉えれば、それは運命の出会いであり、その人は運命の人だと思うからです。

碧いうさぎはずっと待っているのです。一人きりで震えながら。

(スタッフ0)
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