当HP編集長の二宮清純がインタビュアーを務めるBS朝日の番組「勝負の瞬間(とき)」で3月26日に放送された工藤公康編が好評につき、再放送が決まりました。31日(日)、14:00より放送です。この番組では毎回、各スポーツの一流たちをお招きし、トップを極めたテクニックと、その思考法に迫ります。今までのスポーツ番組とは一味違ったインタビュードキュメントです。
 番組では、工藤投手との次のようなインタビューが展開されています。

二宮: 工藤さんは今季、どこかの球団と契約していたらプロ30年目のシーズンでした。残念ながら現在は浪人生活という形ですが、開幕のないシーズンをどんな気持ちで迎えましたか?
工藤: 不思議ですね。これまでは毎日のようにユニホームを着てグラウンドに行っていましたから。朝、パッと起きてトレーニングはするんですけど、ユニホームに着替えなくていい自分がいる。他の選手たちがユニホーム着て投げている姿を見ると、「自分はあそこにいないんだな。あそこで投げれないんだな」って気持ちになりますね。

二宮: プロで224勝して、47歳までプレーしました。日本一も11回経験しています。大半の人なら「もう充分やった」とグラブを置くのが普通だとは思いますが、まだ現役を諦められない一番の理由はどこにあるのでしょう?
工藤: 何より野球が好きだからでしょうね。野球をやることで何か大きな目的があるというより、単にやりたいと思ってるからやれる方法を考えているんですね。やるだけやってみてダメだったらしょうがない。でも今は、クビになったといっても2球団ですからね。他の日本の球団やアメリカ、韓国、台湾とか全部の球団からクビだと言われたわけじゃない。そう考えたら、まだ2球団なんて微々たるものです。自分の状態を100パーセント近くに仕上げることができたら、ひょっとしたらまだできるかもしれない。自分で「ダメ」だと判断するならいいですけど、周りから「もうオマエはダメだ」と言われてやめたくはないんです。
>>この続きは番組をお楽しみ下さい。

 リーグ優勝18回、日本一11回……。工藤投手の歩んできた道のりは、そのまま現代プロ野球の歴史といっても過言ではありません。東尾修、門田博光といったそうそうたる先輩たちを相手にした新人時代のエピソードから、年齢を重ね、城島健司ら後輩を育成する立場になった時の話までインタビューでは貴重な証言が満載です。

 工藤投手がここまで長く現役を続けてこられた理由――それはさまざまなアドバイスやヒントを元に、自身の肉体やピッチングについて、しっかりとした考えを構築してきたから他なりません。番組では、そんな理論の一端にも迫ります。球界のエースと呼ばれるダルビッシュ有投手、そして注目のゴールデンルーキー斎藤佑樹投手に対する分析は興味をそそられることでしょう。
(写真:コントロールがよくなった練習法も明らかに)

「後悔がないっていう人を理解できない。僕は後悔だらけなんです」
 積み重ねた勝ち星は歴代13位の224個。奪った三振は歴代7位の2859個。プロ野球選手としては数え切れない栄光を手にしながら、工藤投手はインタビュー中、そんな発言をしています。過去の後悔を未来へ進むエネルギーに変え、47歳は果たしてこの先、どこまで投げ続けるのか。まさに「永遠の野球小僧」という表現がピッタリな、その姿から誰もが学ぶところがあるはずです。

 この『勝負の瞬間』は月1回ペースでお届けしています。今後も現在開催中の世界水泳に出場した選手など一流のアスリートが続々と登場予定です。どうぞお楽しみに!

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