8日、日本サッカー協会(JFA)は8月19日に国立競技場で行われる東日本大震災チャリティーマッチ(対なでしこリーグ選抜)と、9月1日から中国で行われるロンドン五輪アジア最終予選に出場するなでしこジャパン(女子日本代表)20名を発表した。澤穂希(INAC神戸)や宮間あや(岡山湯郷)など、ドイツW杯に出場したメンバーが中心だが、山郷のぞみ(浦和)、岩渕真奈(日テレ)はケガの影響で招集されなかった。W杯に出場していない選手では、永里亜紗乃(日テレ)が選出された。
 歓喜のW杯優勝から約3週間。ロンドン五輪の出場権獲得にむけたなでしこジャパンの新たな戦いがスタートする。

 五輪最終予選の最大のハードルは11日間で5試合を消化する日程だ。佐々木監督は「(日程と9月前半の気候を考えると)選手全員が闘えるようにする必要がある」とケガを抱える選手は選ばなかった。今回、新たに選ばれた永里(亜)はW杯メンバーである永里優季の妹で、所属する日テレではチームトップタイの3ゴールをあげている。佐々木監督は「今回視察した中で非常にコンディションが良かった。岩渕に引けを取らないプレーヤーだと思っている」と期待を寄せた。

 なでしこジャパンは19日のチャリティーマッチ後、22日から6日間、岡山県美作市でキャンプに入る。「コンディションを整えながら、(試合に)誰が出ても対応できるレベルにしたい。そして予選にかけて、ノッている選手だとかコンディションの良い選手を選考していく」と佐々木監督は予選に向けたプランを明かした。

「シビアかつタイトな状況で、いいサッカーよりも勝つサッカーをしていかないといけない。隙を見せればやられる。W杯とは別物」
 佐々木監督は、アジアで勝ち抜く難しさを口にする。FIFAランキング上は今回の予選に参加する6カ国中トップ(4位)とはいえ、中国、北朝鮮には過去の対戦成績では負け越している。出場権を得られる上位2カ国に入るのは決して容易ではない。
「それでもチームには五輪(出場権)を獲ることの厳しさを経験している選手がかなりいる。経験が薄い若手選手にそれを伝えながら、気を引き締めながらやっていく」と指揮官は決意を新たにした。

「我々は世界チャンピオンになったが、だからといって決して上から目線では闘わない」 
 追われる立場でも、気持ちはあくまでもチャレンジャーだ。なでしこジャパンにとって、短くとも真価を問われる戦いは9月1日に初戦を迎える。


<なでしこジャパンメンバー20名>

GK
福元美穂(岡山湯郷Belle)
海堀あゆみ(INAC神戸レオネッサ)
DF
近賀ゆかり(INAC神戸レオネッサ)
矢野喬子(浦和レッズレディース)
上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)
岩清水梓(日テレ・ベレーザ)
鮫島彩(ボストン・ブレイカーズ)
田中明日菜(INAC神戸レオネッサ)
熊谷紗希(FFCフランクフルト)
MF
澤穂希(INAC神戸レオネッサ)
宮間あや(岡山湯郷Belle)
川澄奈穂美(INAC神戸レオネッサ)
阪口夢穂(アルビレックス新潟レディース)
宇津木瑠美(モンペリエHSC)
FW
安藤梢(FCR2001デュイスブルク)
丸山桂里奈(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
大野忍(INAC神戸レオネッサ)
永里優季(FFCトリビューネ・ポツダム)
永里亜紗乃(日テレ・ベレーザ)
高瀬愛実(INAC神戸レオネッサ)