FIFAは19日、ブラジルW杯アジア3次予選で日本と同じC組のシリア(FIFAランク104位)に失格処分を下したと発表した。アジア2次予選のタジキスタン(同142位)戦において、スウェーデン代表経験がある選手を出場させたため。今回の決定により、3次予選にはタジキスタンが繰り上げ出場となる。
 シリアは7月に行われたブラジルW杯アジア2次予選でタジキスタンと対戦し、ホームでの第1戦を2−1、アウェーで行われた第2戦を4―0とともに勝利し、3次予選に進出した。その後、7月30日に実施された3次予選の組み合わせ抽選で日本(FIFAランク16位)、ウズベキスタン(同63位)、北朝鮮(同115位)とともにC組に入っていた。

 しかし、2次予選の2試合に出場したシリアの選手1人が、03年と05年にスウェーデンの世代別代表でプレーしていたことが発覚。FIFAはこれを規約違反と判断し、W杯予選参加資格の剥奪を決定した。

 これにより日本が10月11日(大阪・長居)、11月11日(アウェー)で実施予定だったシリアとの2試合は、いずれもタジキスタンとの対戦に変更される。シリアは国内情勢不安のため、かねてからアウェー戦が第三国での開催の可能性があった。その点では日本にとって不安が1つ解消された形だ。

 タジキスタンとは過去に対戦経験がない。情報不足は気がかりだが、中央アジアに位置し、中東のシリアと比較すれば日本からの移動距離が短くなる。11月のアウェー2連戦(今回の変更により11日にタジキスタン、15日は北朝鮮)では当初、シリアから北朝鮮へ移動する予定だっただけに選手の負担も軽くなった形だ。また日本との時差もシリアの7時間に対してタジキスタンは4時間と時差調整も楽になる。予期せぬ対戦相手の変更も、ザックジャパンにはプラスに働きそうだ。

<タジキスタン共和国> 中央アジアに位置し、アフガニスタン、中国、キルギス、ウズベキスタンと国境を接する。首都はドゥシャンベ。面積は約14万3100平方kmで日本の約4割の国土。人口は710万人(10年度調べ)。W杯出場経験はなく、FIFAランクは142位。[参照:外務省HP、FIFA公式HP]