8月20日(土)
◇決勝
 エース吉永、5安打完封勝ち
光星学院(青森)    0 = 000000000
日大三(西東京)   11 = 00301052×
【本塁打】
高山、鈴木
 初の決勝進出を果たした光星学院と10年ぶり2度目の全国制覇を目指す日大三との決勝戦は、日大三が投打に圧倒し、終盤はワンサイドゲームとなった。

 3回裏、日大三は2死無走者から3番・畔上翔(3年)が死球で出塁すると、4番・横尾俊建(3年)がヒットで続き、2死一、三塁とした。打席には5番・高山俊(3年)。高山は真ん中甘めに入った初球の変化球を見逃さず、準決勝に続いてのホームランで日大三が3点を先制した。

 その高山が5回表、今度は守備で見せた。ヒットと四球で2死一、二塁となった場面、9番・秋田教良(3年)がライト前ヒットを放つ。ここで二塁ランナーが一気にホームを狙うも、右翼手・高山からの好返球で阻み、光星学院に得点を許さなかった。

 するとその裏、逆に青森大会無失策と堅守を誇る光星学院の守備にミスが出た。1死一、三塁の場面、5番・高山を内野ゴロに打ち取る。併殺を狙うには絶好の打球となるも、二塁手があわてたのかボールが手につかない。なんとか二塁はフォースアウトにしたものの、一塁へは送球することができず、この間に三塁ランナーが返り、日大三に4点目が入った。

 準決勝まで全て2ケタ安打をマークしてきた強打の日大三打線は7回裏、光星学院のエース秋田をさらに攻め立て、猛打をふるった。1死二塁から3番・畔上翔(3年)、4番・横尾、5番・高山と中軸がお互いに競うかのようにタイムリーを放つと、2死後にはこれまでエース吉永健太朗(3年)を支えてきた捕手の7番・鈴木貴弘(3年)に一発が出て2点を追加。日大三はこの回一挙5点を奪い、リードを9点に広げた。

 8回裏にも2点を追加した日大三は、この試合も2ケタ安打となる13安打をマーク。投げてはエース吉永が直球と同じ腕の振りから右打者にはスライダー、左打者にはシンカーをうまく織り交ぜ、緩急をつけたピッチングで光星学院打線を翻弄。準決勝まで640球を投げた疲れをまったく見せず、好投を披露した。

 迎えた最終回、吉永はは簡単に2死を取ると、最後は145キロの直球で空振り三振に切ってとり、散発5安打で今大会2度目となる完封勝ち。最高のピッチングで締めくくった。

 4014校の頂点に立ち、2度目の優勝に導いた日大三・小倉全由監督は喜びを次のように語った。

「本当に嬉しい。力のあるチームだったので、甲子園にきて自分が一番プレッシャーを感じていたが、選手がよくやってくれた。よく打ってくれたし、(吉永は)疲れていたが、よく投げてくれた。日大三高の監督として2回も優勝できた。こんなに幸せなことはない。選手たちは被災地に勇気を与えられる野球をやってくれたと思う」