15日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦が行われ、東京ヤクルトが巨人を相手に4対0の完封勝利を挙げた。ヤクルト打線は、4回に畠山和洋の犠牲フライなどで2点を先制すると、6回にはウラディミール・バレンティンが2点適時打を放ち、さらに点数を重ねた。ヤクルトは先発の小川泰弘が巨人打線を8回5安打無失点に封じると、最終回はトニー・バーネットが試合を締めた。巨人との対戦成績を2勝1敗(アドバンテージ1勝を含む)としたヤクルトは、日本シリーズへ一歩前進した。

 

◇ファイナルステージ第2戦

 バレンティン、猛打賞2打点!(ヤクルト2勝1敗、神宮球場)

巨人       0=000000000

東京ヤクルト   4=00020200×

勝利投手 小川(1勝0敗)

敗戦投手 マイコラス(0勝1敗)

 

 ヤクルトの魅力である“つながる打線”が、今季リーグ最高勝率を誇るマイルズ・マイコラスに打ち勝った。

 

初戦を落としたヤクルト。「絶対に連敗できない」と小川は先発マウンドに上がったが、立ち上がりに苦しんだ。2回表にいきなり1死二、三塁のピンチを招く。ここでヤクルトバッテリーは満塁策を選択した。1死満塁で小川は、小林誠司をカットボールでピッチャーゴロに打ち取り、続くマイコラスも空振り三振に仕留めた。そこからリズムを掴んだ小川は、3回から6回までをパーフェクトに抑える圧巻のピッチングをみせた。8回5安打無失点と素晴らしい内容だった。

 

 一方の打線は、4回裏に小川を援護した。無死二、三塁で、昨日先制ソロ本塁打を記録した畠山がライトへの犠牲フライを放ち、2試合連続となる先制点を挙げる。なおも1死三塁と得点のチャンスが続く。すると、雄平が打ったゴロを捕球した一塁手・阿部慎之助は、三塁走者・山田哲人が飛び出したと見るや、三塁へ送球。山田は機転を利かせ、送球間に一気にホームへ突っ込んだ。三塁手・井端弘和が慌てて、本塁に送球するも間に合わない。ヤクルトは阿部のフィルダースチョイスというラッキーな形で1点を加えた。

 

 さらにリードを広げたのは、6回裏。先頭の川端慎吾と山田の連打で出塁すると、1死後、雄平がセンターへのポテンヒットでつないで、満塁にチャンスを広げる。続くバレンティンは、マイコラスが投じた5球目のカーブにうまく合わせてセンターに運んだ。2走者が還り、一気に2点を追加。巨人先発のマイコラスをマウンドからで引きずり降ろした。前日の試合で4打席ノーヒットに終わり、打順を5番から6番に下げられたバレンティンは、4打数3安打2打点と甦った。

 

 4点のリードで迎えた最終回は、今季41セーブを記録したバーネットがマウンドに上がる。バーネットは150キロを超える速球で、巨人打線を力で抑え込んだ。4-0と完封勝利を収め、日本シリーズ進出をかけた第2ラウンドはヤクルトが勝利した。巨人が2番から6番までのヒット数が4本だったのに対し、ヤクルトは9本と主軸が打ちまくって白星を掴んだ。第1戦では鳴りを潜めたヤクルトの“つながる打線”は息を吹き返しつつある。ヤクルトは、第3戦の先発が予想されている菅野智之を打ち崩せるか。

 

(文/安部晴奈)