3日、なでしこジャパン(女子日本代表)は中国で行われているロンドン五輪女子サッカーアジア最終予選で韓国代表と対戦した。日本は前半開始から猛攻をしかけ、10分、宮間あや(岡山湯郷)の右CKから阪口夢穂(新潟)が頭で合わせて先制する。30分にミスからカウンターで同点にされるが、前半ロスタイムに大野忍(INAC神戸)が勝ち越しゴールを挙げた。後半は運動量が落ちて韓国の猛攻を受けたものの、なんとか凌ぎ切り、2連勝で単独首位をキープした。

 ベストメンバーも苦戦(済南)
日本代表 2−1 韓国代表
【得点】
[日] 阪口夢穂(10分)、大野忍(45分+1)
[韓] チ・ソヨン(30分)
 前半と後半で正反対の試合内容だった。最後はヒヤヒヤながら、しっかりと勝ち点3は確保した。
 予選2試合目となる韓国戦、日本は、澤穂希(INAC神戸)や宮間など初戦で温存した主力をスタメンに復帰させ、ベストの布陣で臨んだ。

 W杯決勝と同じスタメンとなった日本は、前半開始からチャンスをつくりだす。6分には川澄奈穂美(INAC神戸)がPA内右に抜け出した安藤梢(デュイスブルク)へパスを通す。安藤は角度のない位置から左足でシュートを打ったが、わずかにゴール左へ外れた。

 9分、安藤が左サイド前方に出したパスに宮間が追い付き、ダイレクトでニアサイドに折り返す。これを川澄がヒールで再び安藤に落とした。安藤のシュートはジャストミートしなかったが、相手選手に当たり、ゴールラインを割って日本のCKとなった。
 
 この流れで得たCKから先制点が生まれる。10分、宮間の右CKに阪口が頭で合わせた。ゴールがなかなか生まれなかった初戦とはうってかわって、早い時間帯での先制ゴール。日本は試合の主導権を握った。

 ところが30分、ピッチ中央付近でパスを受けようとした熊谷紗希(フランクフルト)が足を滑らせ、ボールを奪われる。このミスを突かれ、カウンターから最後はチ・ソヨンに同点ゴールを決められた。

 嫌なかたちで追いつかれた日本だが、前半ロスタイム、大野が勝ち越し点を決める。澤が左サイドを仕掛けゴール前にパス。これを川澄が体を張ってキープし、さらに右へ流す。これを大野が冷静に押し込んだ。

 再びリズムをつかんだかに見えた日本だが、後半は予想外に苦しんだ。全体的に動きが鈍く、選手間の距離が間延びし、パスミスも目立った。こうなれば、韓国の猛攻にさらされる。それでも、守備陣が体を張ってゴールは死守し、2−1で逃げ切った。

 佐々木則夫監督は「後半は運動量が落ち、途中から凌ぎ切る戦い方に切り替えた」と試合を振り返った。決して内容は良くないが、「自分たちのサッカーよりも、勝ち点3をとること」と現実的な采配で、予選突破へまたひとつハードルを越えた。日本は中1日で、5日にドイツW杯にも出場していたオーストラリアと対戦する。