4月22日、今季のbjリーグを締めくくるプレーオフのファイナルが有明スタジアムで開催され、昨季王者の大阪エヴェッサが参入1年目の高松ファイブアローズを94-78で破って、リーグ連覇を果たした。前日のセミファイナルでは大阪がプレーオフ初進出の大分ヒートデビルズを、高松が昨季準優勝の新潟アルビレックスBBに勝ち、決勝へ駒を進めていた。
(写真:連覇を果たし、喜びに沸く大阪エヴェッサ)

◇4月22日、有明(16時15分開始)
・大阪エヴェッサ 94-78 高松ファイブアローズ
【第1Q】 28-22
【第2Q】 53-47
【第3Q】 70-63
【第4Q】 94-78

(写真:落ち着いてフリースローを沈めるパルマー)
 立ち上がり、硬さが見える挑戦者とは対照的に、王者は落ち着いていた。第1Q、開始1分で5点を奪うと、一度は逆転されたもののFパルマーの2本の3ポイントなどで6点をリードした。

 そのリードを渡さなかった。高松がPG中川の3ポイントなどで点差を一桁に詰めても、すぐに取り返して二桁に戻す。第3Q終了間際にパルマーが決めるなど勝負強かった。
 
 そして、第4Q、粘る高松に引導を渡した。残り8分で3点差にまで詰め寄られたが、PGロティックの3ポイントを口火に12得点を一挙に奪い、突き放した。ファウルゲームでもPFワシントンらが確実にフリースローを沈めて、94-78の大差でリーグ連覇を果たした。

(写真:高松のPFウォーレン<左>、大阪のSF波多野<右>)
「相手がどうこうよりも、自分たちのバスケットがいかにやれるかが大事だと思っている」
 大阪の天日HCはプレーオフ前、こう話していた。その言葉通り、レギュラーシーズンで1試合平均85.8得点を叩き出した攻撃力を存分に発揮。直接対決で3勝5敗と負け越していた高松を粉砕した。

 試合後は、天日HCが「嬉しいの一言です」、主将のPG石橋が「2度も天日HCを胴上げできるなんて信じられない」と話して、優勝の喜びを爆発させた。セミファイナルの27点に続き、今回も両チーム最多の33得点を挙げ、MVPに輝いたパルマーは「とても幸せ。(MVP受賞については)コーチが起用してくれ、チームメイトがサポートしてくれたからだ」と白い歯を見せた。

 一方、高松は新規参入での優勝には届かなかった。青木HCは「地元の高松でも700人をこえるブースターがパブリック・ビューイングで応援してくれていたと聞いている。それらの方々にファイナルで勝てなかったことをお詫びしたい」とコメントし、「本当に勝ちたかった。この悔しさを絶対に忘れることなく、来年は優勝したい」とリベンジを誓っていた。

 2年目のbjリーグは、大阪の優勝をもって幕を下ろした。来季は福岡、沖縄の2チームを新たに加え、10チームで行われる。

<プレーオフ試合結果>

●4月21日(土)
【セミファイナル】
・大阪エヴェッサ(レギュラーシーズン1位) 69−63  大分ヒートデビルズ(同4位)
・高松ファイブアローズ(同3位) 79−67 新潟アルビレックスBB(同2位)

●4月22日(日)
【3位決定戦】
・大分ヒートデビルズ 90−72 新潟アルビレックスBB
【ファイナル】
・大阪エヴェッサ 94−78  高松ファイブアローズ

<プレーオフ終了後のコメント>

【優勝・大阪エヴェッサ】

■天日謙作ヘッドコーチ
「一人一人がチームの状況を理解して自分が何をすべきかを理解していることが一番大事。今は、それがだいぶできるようになった。連覇を達成したことで、次は3連覇といわれることにプレッシャーを感じる。今回、連覇について聞かれても『意識していない』と答えていたが、正直、プレッシャーはあった」
(写真:試合後の会見、笑顔を見せる天日HC)




■Fデイビッド・パルマー選手
「(MVPを受賞して)本当に幸せ。HCがチャンスを与えてくれて、チームメイトがサポートしてくれたからこそ、受賞できた。とにかくシュートを決めることだけを考えた。周りがパスを回してくれたので、数多くのシュートを決めることができた」

■SF波多野和也選手
「セミファイナルでヒヤヒヤする試合をしてしまったが、その分、気持ちが引き締まった。昨日競った試合をしてよかったな、と。(仲村とのポジション争いについては)僕と直人さんではタイプが違う。直人さんは3ポイントが巧い。僕はゴール下で頑張れる。チームの状況によって使ってもらえればいい、と思う」

【準優勝・高松ファイブアローズ】

■青木幹典ヘッドコーチ
「新規参入とはいえ、選手たちは本当に頑張ってくれた。負けたのは私の責任。ここまでの3週間、セミファイナルの新潟戦に集中してきたので、その部分でファイナルの後半にはミスが出た。来年こそは必ずリベンジを果たしたい」

■SG岡田優選手
「決勝で負けてしまって、本当に悔しい。今日の結果が自分の実力だと思う。(大阪について)去年のbjリーグ開幕戦の大阪の試合を見て、『大阪は強いな』と思った。その試合がbjリーグに挑戦したいと思うきっかけになった。今日の大阪は、初めて見たときの印象と同じ強いチームだった。この日のことはずっと忘れないと思う」

■PGラシード・スパークス選手
「負けてしまったので非常に残念。今日の大阪は、以前対戦したときよりも強いチームだった」

【3位・大分ヒートデビルズ】

■桶谷大ヘッドコーチ
「セミファイナルの大阪戦のことばかりを考えていたので、新潟を分析する時間は昨日の夜しかなかった。その中で、選手たちは自分たちのバスケットをよくやってくれた。新潟の大黒柱であるニックに早い段階でダブルチームでプレッシャーをかけたのがよかったと思う。来季につながるゲームだった」

■PG鈴木裕紀選手
「プレーオフはすばらしい舞台。出られてよかったし、また来年も出たい。優勝はできなかったが、3位になったことで試合後のロッカールームでは優勝したんじゃないかっていうくらい喜び合えた。本当に良いチームだと思う。(シーズン途中の)青木勇人選手の加入でチームがよくなった。2、3番の層が厚くなった。ベテランなのに人一倍練習して、若い選手の手本になってくれた」
(写真:3位決定戦の鈴木選手)



【4位・新潟アルビレックスBB】

■廣瀬昌也ヘッドコーチ
「ブースターの皆さんにどれだけ感動を与えられたかわからないが、選手たちは最後まで戦ってくれた。セミファイナルでの敗戦のショックは大きかった。試合の途中で集中が途切れたシーンがあったのは残念だった」

■PG藤原隆充選手
「セミファイナルで敗れて気持ちが切れたということはなかった。最後まで自分たちのバスケットをやる義務があると思っていた。今シーズンは涙を流さないと決めていたが、ブースターの声援で、ゲーム中や試合後の挨拶の時に涙がこぼれてきた。ブースターのおかげで最後まで戦えた」

■PG長谷川誠選手
「この結果は残念。今季はケガに悩まされた。来季のことを考えて、5月20日過ぎには始動し、ケガのない体をつくりたい」

【河内敏光コミッショナー】
「セミファイナルでは、それぞれが緊張して本来の力が出せなかった印象を受けたが、ファイナルでは、集中力が緊張を上回ったのか、両軍がすごく素晴らしいバスケットを見せてくれた。シュートの確率はよく、ディフェンスも怠っていなかった。非常にいい決勝戦だったと思う。(3位決定戦で敗れた)新潟は『絶対に去年の雪辱を果たす』と意気込んできたからこそ、セミファイナルで負けた瞬間にチームが落胆してしまったという印象がある。(初めてのプレーオフを経験した)高松、大分には、チャレンジャー精神があった。特に大分からは「いけるところまでいく」という気概が感じられた。(今後の展開について)12チームになった暁には、6チームずつ東西に分けて、最後に両リーグの王者が頂点を争う形式にしたいと思っている」

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