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(写真:競争意識を煽るハリルホジッチ監督)

 日本サッカー協会は5日、「2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選兼AFCアジアカップUAE2019予選」のシンガポール代表戦(11月12日、シンガポール)とカンボジア戦(17日、プノンペン)に出場する日本代表23人を発表した。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見で「少し変更を加えた。新しい選手も何人かいる」と語ったように、FW金崎夢生(鹿島アントラーズ)とGK林彰洋(サガン鳥栖)がハリルジャパンに初選出された。前回は招集されなかったDF酒井宏樹(ハノーファー96)、DF藤春廣輝(ガンバ大阪)、MF遠藤航(湘南ベルマーレ)が復帰を果たし、メンバーの入れ替えが目立った選考となった。

 

「1年目はできるだけ、たくさんの選手を知りたい」。そうコメントしたハリルホジッチ監督は初めて金崎と林を招集リストに加えた。

 

 今季ポルトガル2部のポルティモネンセSCから鹿島にレンタル移籍で加入した金崎は、セカンドステージの優勝を争うチームを牽引する存在だ。ナビスコ杯決勝でも得点を決めるなど、優勝に大きく貢献した。クラブでの際立った活躍ぶりで「金崎をダイレクトに見たい。ここ数カ月、彼は良い仕事をしている」と、ハリルホジッチ監督の目に留まった。指揮官はこれまでの代表に「真ん中にパワーが足りない」と感じており、センターラインの強化を図っている。「真ん中だけではなくて、たくさんのところに動いてくれる」。神出鬼没のアタッカーがその候補に挙がった。

 

 そしてハリルホジッチ監督は、林について「彼も長い間追跡していた選手。ここのところかなり高いレベルを見せてくれている。彼にチャンスを掴んで欲しい」と口にした。林は流通経済大学在学中からA代表に呼ばれ、卒業後にはヨーロッパのクラブにも所属した経歴を持つ。若い頃から注目されてきた195センチの長身GKだが、ケガも重なり未だA代表キャップは記録していない。所属クラブが決まらないGK川島永嗣が招集されていない今が、彼にとってチャンスとなる。

 

 その他、酒井宏、藤春、遠藤が復帰を果たし、前回のメンバーからはGK六反勇治(ベガルタ仙台)、DF丹羽大輝、米倉恒貴(ともにガンバ大阪)、DF塩谷司(サンフレッチェ広島)、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)、MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)の招集が見送られた。ハリルホジッチ監督は「彼らが悪いというわけではない。他の選手にチャンスを与えたい。もちろん、“もっともっと頑張ってくれ”というメッセージも込めている」と多くの選手を試したいためだったことを強調した。

 

 今回はシンガポール戦、カンボジア戦とW杯のアジア2次予選が続く。結果が求められる中で、ハリルホジッチ監督は金崎、林の新戦力や、遠藤ら復帰組に出場のチャンスを与えるのか。このメンバーでアウェーの地へ乗り込む。

 

【日本代表メンバー】

GK東口順昭(ガンバ大阪)
  西川周作(浦和レッズ)
  林彰洋(サガン鳥栖)
DF長友佑都(インテル・ミラノ)
  槙野智章(浦和レッズ)
  森重真人(FC東京)
  吉田麻也(サウサンプトン)
  藤春廣輝(ガンバ大阪)

  丸山祐市(FC東京)

  酒井宏樹(ハノーファー96)

MF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
  柏木陽介(浦和レッズ)
  香川真司(ボルシア・ドルトムント)
  清武弘嗣(ハノーファー96)
  山口蛍(セレッソ大阪)
  遠藤航(湘南ベルマーレ)
FW岡崎慎司(レスターシティー)
  本田圭佑(ACミラン)
  金崎夢生(鹿島アントラーズ)

  原口元気(ヘルタ・ベルリン)
  宇佐美貴史(ガンバ大阪)
  武藤嘉紀(1.FSVマインツ05)
  南野拓実(ザルツブルク)

 

(文・写真/大木雄貴)