缶コーヒーブランド「ジョージア」は、2011シーズンもプロ野球12球団と提携、さらにNPBパートナー契約を締結し、“選べ、チームのためのベストプレー”をコンセプトに「ジョージア魂」賞の表彰を実施しています。このたび第10回の「ジョージア魂」賞が決定しました。今回は埼玉西武・西口文也投手が8月28日(対北海道日本ハム戦)にみせた6年ぶりの完封勝利へ賞が贈られます。

(写真:1試合2ケタ奪三振も自身5年ぶりだった)
 今回の「ジョージア魂」賞は、8月26日から9月8日にかけて行われた公式戦から山田久志氏(元阪急)、高木豊氏(元大洋)、伊東勤氏(元西武)、栗山英樹氏(元ヤクルト)、小林光男氏(週刊ベースボール編集長)、二宮清純(当HP編集長)の6名の選考委員によってノミネート6プレーが選出され、「ジョージア ベースボールパーク」のサイト上のファン投票によって決定しました。西口選手のプレーには、総投票数84,941票中、最多の17,942票が集まりました。

 また「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、二宮清純の書き下ろしコラム「あのプレーにアンコール!」のコーナーが更新されました。受賞プレーはもちろん、ノミネート6プレーの中から二宮がイチオシしたものに関して、それぞれコラムを掲載します。当サイトでは、その中から二宮が推薦した広島・中東直己外野手(8月30日、足のスペシャリストが雨中の激走)のコラムを特別に掲載します。

 広島・中東直己「“走り屋”の衿持」

 低反発の統一球、いわゆる“飛ばないボール”の導入により、今季はホームラン数が激減している。前年比マイナス約40%減、巨人に至っては前年比マイナス約53%だ。一発に頼れないとなると足がモノを言う。“走り屋”の出番だ。
(写真:4年前のフレッシュオールスターでは二盗、三盗を立て続けに決め、MVPを獲得)

 広島の中東直己は50メートル5秒7の俊足を売り物にする。キャッチャーもできるが本職は外野手だ。

 8月30日、神宮球場での東京ヤクルト戦。広島は延長10回表、2死無走者の場面で栗原健太が2ベースを放ち、勝ち越しのチャンスを得た。広島ベンチは中東を代走に送った。
 続く丸佳浩の打席でピッチャー林昌勇が暴投。中東は三塁を蹴って本塁を陥れた。結局、この好走塁がモノを言い、広島はヤクルトに競り勝った。

 殊勲の中東は語った。
「(球が)高く弾んだので、三塁手前でいけると思った。勝ちに貢献できてうれしい」
 ゴーサインを出した三塁コーチャーの緒方孝市の判断も光った。
「中東が暴投に対して準備し、いいスタートを切ってくれた。本塁突入させたのはギャンブルだったけど、そのための中東の代走起用だから」

“走り屋”と言えば忘れられないのが、元近鉄の藤瀬史朗だ。彼は実働7年間で117の盗塁を決めたが、そのほとんどが代走によるものだった。
 盗塁成功率は実に80.7%。通算盗塁の日本記録を持つ元阪急の福本豊ですら78.1%なのだから、いかに驚異的な成功率であるかということが理解できよう。

 藤瀬の出番は、そのほとんどがゲームの終盤だった。ただ足が速いだけでは、この仕事はこなせない。極限状態にまで研ぎ澄まされた集中力と判断力が求められる。

 いつだったか代走の心得について、藤瀬はこう語った。
「僕らの仕事はガチンコの一発勝負。ピッチャーとの感覚を掴み、“行ける”と判断したら、もうためらっちゃいけない。成功すればカネになる。失敗すればクビ。アウトになったら? いやそれはサインを出した監督が悪いんですよ。そのくらいの気持ちでやらなきゃ、あの仕事はやってられません」

 プロ野球は職人集団である。中東には足のスペシャリストとして、しぶとく生き残ってもらいたい。

「ジョージア ベースボールパーク」のサイトでは、受賞した西口投手についても二宮清純の書き下ろしコラムを掲載中!
 現在、第11回「ジョージア魂」賞ファン投票も合わせて実施中です。東北楽天・田中将大投手、オリックス・後藤光尊内野手、福岡ソフトバンク・大隣憲司投手、中日・荒木雅博内野手、巨人・橋本到外野手、横浜・村田修一内野手の6プレーがノミネートされています。ぜひ投票に参加してみてください。

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