20日、クラブワールドカップ決勝が神奈川・日産スタジアムで行われ、バルセロナ(欧州代表)がリバープレート(南米代表)を3-0で下し、世界一に輝いた。バルセロナは前半36分にFWリオネル・メッシが左足で決めて先制した。後半4分にはFWルイス・スアレスが2点目を決めると、さらに23分にもスアレスがヘディングでゴールネットを揺らして、試合を決定づけた。バルセロナは4年ぶり3度目の優勝を決めた。

 

 スアレス、2試合5得点の活躍

バルセロナ 3-0 リバープレート(日産スタジアム)

【得点】

[バルセロナ] リオネル・メッシ(36分)、ルイス・スアレス(49分、68分)

 

 好守に充実したバルセロナがリバープレートを寄せ付けなかった。

 

 試合開始からバルセロナは中盤、DFラインでパスを回し、様子を伺っていたが牙をむいたのは36分だった。右サイドバックのダニエウ・アウベスがファーサイドにいるFWネイマールにクロスを送った。ネイマールが頭で折り返すとゴール中央で待ち構えていたメッシが、DFとGKのタイミングを外す絶妙なトラップ。最後は左足アウトサイドでゴール右に流し込んだ。尿管結石で準決勝を欠場していたメッシが、ルイス・エンリケ監督の先発起用に応えた。

 

 後半に入ると、バルセロナは更にギアを上げた。4分、MFセルヒオ・ブスケツが浅いリバープレートDF陣の裏にロングパスを送ると、いち早く反応したスアレスが追いついた。スアレスは相手GKとの間合いを図り、股下を強烈なシュートで射抜く。準決勝でハットトリックを達成したスアレスの2試合連続ゴール。バルセロナが格の違いを見せ始める。

 

 8分には、ネイマールがペナルティエリア左でボールをキープ。敵を引きつけてから、走り込んだメッシへラストパスを出す。メッシはフリーでシュートを放つも、GKに阻まれた。得点にこそならなかったが、依然としてバルセロナのペースが続いた。

 

 23分には、再びウルグアイのストライカーが躍動する。ネイマールがペナルティエリア左でタメを作り、右足でクロスを送った。すると、後ろから走り込んできたスアレスが頭で合わせて3点目を奪う。バルセロナのリードがさらに広がり、勝利をほぼ決定付けた。

 

 守ってもバルセロナはDFハビエル・マスチェラーノ、DFジェラール・ピケ、ブスケツらがリバープレート攻撃陣のドリブルやワンツーを絡めとる。自国リーグでも首位に立つなどチームとして攻守が充実しているバルセロナ。今大会でも隙を全く見せない。32分、39分に2つのピンチを招いたものの、守護神クラウディオ・ブラボのビッグセーブや組織的なプレッシングを緩めることなく、失点を許さなかった。盤石の強さを見せたバルセロナが、30万1000クラブの頂点に立った。

 

広島、ドウグラスの2ゴールで逆転勝ち

 

 同日に行われた3位決定戦は、サンフレッチェ広島(開催国枠)が広州恒大(アジア代表)を2-1で下し、大会を3位で終えた。広島は前半4分、広州のMFパウリーニョにCKから決められ、先制を許す。その後は前半終了まで広島の方がチャンスを多く作ったが、得点に結び付けられなかった。後半25分、途中投入されたFWドウグラスがCKから頭で押し込み同点とした。38分にもドウグラスが得点し、広島が広州に競り勝った。

 

柏、途中出場で流れ変える(日産スタジアム)

サンフレッチェ広島 2-1 広州恒大

【得点】

[広州] パウリーニョ(4分)

[広島] ドウグラス(70分、83分)

 

 広島は開始早々に広州に先制を許す。ショートコーナーを受けたDFリ・シュエペンのクロスからFWエウケソンがヘディングシュートを放った。GK林卓人がパンチングで弾くと、そのこぼれ球をFWガオ・リンに拾われた。ガオ・リンのシュートは枠をそれていたが、MFパウリーニョがヘッドで軌道を変えてゴールに結びつけた。

 

 その後の展開は広島が多くのチャンスを作りながらも、ゴールネットを揺らすことはできずにハーフタイムを迎えた。

 

 追いつきたい広島は、森保一監督が動く。後半13分、FW佐藤寿人に代えてMFドウグラスを投入する。ブラジル人ストライカーは期待に応え、25分にCKからヘッドで押し込み同点とした。続く38分には、途中出場のMF柏好文が右サイドを切り裂きクロスを送る。FW浅野拓磨が頭で合わせるも、クロスバーに阻まれた。このこぼれ球をドウグラスがヘディングで確実に決め、逆転に成功する。

 

 以降、試合は動かず広島が2度目のクラブワールドカップを前回の5位を上回る3位で終えた。26日には天皇杯・準々決勝を戦う。連戦が続くタイトな日程だが今日の勝利を活かして頂点を狙う。

 

(文/大木雄貴)