151221青山 (1)

(キャプテンとしてチームをまとめあげた青山)

 21日、2015年のJリーグで活躍した選手や監督などを表彰するJリーグアウォーズが、都内で開催され、最優秀選手、ベストイレブンを含めた各種表彰が行われた。最優秀選手賞(MVP)には2年ぶり3度目のリーグ優勝に貢献したサンフレッチェ広島のMF青山敏弘が選出された。最優秀監督には広島の森保一監督が歴代最多タイとなる3回目の受賞。ベストヤングプレーヤー賞(J1リーグに半分以上出場し、2015年4月2日時点で21歳以下であること。過去に受賞した選手は対象外)には、同じく広島のFW浅野拓磨が選ばれた。

 

 ベストイレブンには優勝した広島から最多の3名。青山(3回目)、DF塩谷司(2回目)、FWドウグラス(初)が選出された。年間2位のガンバ大阪はMF遠藤保仁(12回目、歴代最多)、FW宇佐美貴史(2回目)、同3位の浦和レッズはGK西川周作(4回目)、DF槙野智章(2回目)、同4位のFC東京はDF太田宏介(2回目)、DF森重真人(3回目)と、年間上位のクラブからそれぞれ2名ずつが選ばれた。その他には、3年連続得点王の川崎フロンターレのFW大久保嘉人(3回目)、ナビスコカップ優勝に貢献した鹿島アントラーズのMF金崎夢生(初)が受賞した。

 

 MVP青山、「サッカーに対する情熱では絶対に誰にも負けない」

 

広島の司令塔が最優秀選手に輝いた。青山は中盤の底から長短のパスを駆使し広島の攻撃陣を操った。敵陣を切り裂くスルーパスは広島の最大の武器となっていた。

 

 青山は檀上のスピーチで周囲への感謝を述べた。

「僕は12年間、広島で育てて頂き、広島だからここまで成長できたと思います。広島のクラブ関係者、ファン、サポーター、選手のみんなとこの賞を喜び合いたい。最後に、両親、妻と3人の子供たちに感謝を述べたいと思います。いつも応援して頂き、そして支えて頂きありがとうございます。これからも人に感動して頂けるような選手でありたいと思っています」

 

 青山は自身のことを「僕は決して上手いプレーヤーではありません。自分では下手だと思っております」と謙虚に語り、そして続けた。「ですがサッカーに対する情熱、試合に対する思い、気持ち、そういったところでは絶対に誰にも負けない」。来季は、どの対戦相手も全力で青山をつぶしにかかってくる。しかし、気持ちの入ったプレーで広島の背番号6はそれをはね返すはずだ。

 

 4年間で3度優勝、抜群の安定感

 

広島は年間34試合でリーグ1位の73得点、守っては最少失点の30。攻守に高いレベルで安定したパフォーマンスを引き出した森保監督が2年ぶり3度目の最優秀監督に選ばれた。

 

オズワルド・オリベイラ(元鹿島)と並び最多の受賞となったが、森保監督はキャプテンと同様に「日頃から選手、スタッフは本当に身を粉にしてチームのために戦ってくれた」と関係者への感謝の思いを口にした。

 

 今季からJ1リーグは2ステージ制やチャンピオンシップ(CS)を導入した。セカンドステージを制した広島は年間1位のアドバンテージでシード扱い。準決勝を勝ち上がったG大阪と対戦した。森保監督は「CSでは我々が年間1位として受けて立つ側。CSではもちろん年間王者を賭けて戦う事になりました。我々が1年を通してレギュラーシーズンでやってきたこと、1位をとれたことがひょっとしたらCSで水の泡になって消えてしまうというプレッシャーの中で選手は恐らく戦ったと思います」と、CSの難しさを語る。

 

 重圧を乗り越え、広島は年間王者に輝いた。森保監督は「Jリーグチャンピオンを掴み取れたことは、今後の成長につながった」と、シーズンを総括した。浅野、MF野津田岳人、MF茶島雄介ら若手を育てつつ、結果も残した森保監督の手腕に来季も注目だ。

 

<2015 Jリーグアウォーズ受賞者一覧>

 

〇最優秀選手賞
青山敏弘(サンフレッチェ広島)

〇ベストイレブン
GK 西川周作(浦和レッズ)
DF 槙野智章(浦和レッズ)、太田宏介(FC東京)、森重真人(FC東京)、塩谷司(サンフレッチェ広島)
MF 金崎夢生(鹿島アントラーズ)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、青山敏弘(サンフレッチェ広島)
FW 大久保嘉人(川崎フロンターレ)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)、ドウグラス(サンフレッチェ広島)

〇得点王
大久保嘉人(川崎フロンターレ) 23得点 ※3年連続3度目

〇最優秀監督賞
森保一(サンフレッチェ広島)

〇最優秀ゴール賞
青山敏弘(サンフレッチェ広島)  ※1stステージ第17節(6月27日) 鳥栖vs広島

〇最優秀主審賞
西村雄一  ※7年連続7度目

〇最優秀副審賞
相樂亨 ※7年連続7度目

〇フェアプレー個人賞
谷口彰吾(川崎フロンターレ)
中澤佑二(横浜F•マリノス)

〇フェアプレー賞高円宮杯
サンフレッチェ広島  ※4年連続5回目の受賞、歴代最多

〇フェアプレー賞(J1)
ヴァンフォーレ甲府
横浜F•マリノス
ガンバ大阪
サガン鳥栖
川崎フロンターレ
モンテディオ山形

〇フェアプレー賞(J2)
ツエーゲン金沢
ギラヴァンツ北九州
徳島ヴォルティス
愛媛FC
ファジアーノ岡山

〇フェアプレー賞(J3)
グルージャ盛岡
ブラウブリッツ秋田
AC長野パルセイロ

〇ベストピッチ賞
デンカビックスワンスタジアム
豊田スタジアム
IAIスタジアム日本平 
北九州市立本城陸上競技場

〇最優秀育成クラブ賞
清水エスパルス

〇功労選手賞
新井場徹
中田浩二
藤本主税
宮本恒靖

柳沢敦

 

(文・写真/大木雄貴)