13日、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねた「AFC U-23選手権」がカタール・ドーハで行われた。グループBのU−23日本代表は同北朝鮮代表と対戦。日本は前半5分にDF植田直通がCKから先制ゴールを決めた。その後は北朝鮮の高さを生かした攻撃に苦しめられたが、1点のリードを守り切った。日本が北朝鮮を1-0で下し、最終予選を白星でスタートした。

 

 パワープレーを抑えて完封(カタール・ドーハ)

U-23日本代表 1−0 U-23北朝鮮代表

【得点】

[日] 植田直通(5分)

 

 6大会連続五輪切符獲得に向け、苦しみながらも白星発進を切った。

 

 今大会は16チームが4組に別れて各組2位までが準々決勝に進む。そして上位3チームがリオデジャネイロ五輪の出場権を獲得できる。北朝鮮、タイ、サウジアラビアと同組となった日本。初戦できちんと勝ち点3を手にし、勢いに乗りたいところだ。

 

 試合は日本が開始早々に先制点を奪う理想的な展開だった。前半5分、DF山中亮輔の右CKを植田がファーサイドに走り込んだ。フリーでボールを受けた植田が右足インサイドで合わせ、ゴールネットに突き刺した。しかし、幸先よく先制をしながら、イニシアチブを握れなかった。

 

 前半はボールがうまく繋げずチャンスも数えるほど。ロングボールを中心とした北朝鮮のシンプルな攻撃を受けてしまう場面も多く見られた。日本は失点こそなかったが、停滞した雰囲気のままハーフタイムを迎えた。

 

 後半開始と同時に北朝鮮はDFソ・ジョンソクを最前線で起用してパワープレーを試みる。風下に陣地をとる日本にとって苦しい展開が続いた。劣勢の中でも、得点を決めた植田と、DF岩波拓也の長身センターバックコンビが懸命に跳ね返す。植田は「“僕が跳ね返すしかない”という気持ちで集中してやった」と北朝鮮の反撃を凌いだ。

 

 攻めてはツートップの久保裕也、鈴木武蔵、MF中島翔哉らがチャンスを作るも、追加点は奪えない。10分には久保のシュートがポストを叩いた。34分には岩波がセットプレーからネットを揺らしたがオフサイドの判定。惜しい場面もあったが、2点目が遠かった。結局1-0のスコアのまま、日本が逃げ切りに成功した。

 

 試合後、手倉森誠監督は「一戦目で十分鍛えてもらった。チームが堅かったがその中で勝てたのはよかった。ボールを握るという部分で臆病だった。苦しんだ分、これ以上苦しいことはないとリラックスして戦わせてあげたい」と振り返った。指揮官の言葉通り、内容は良くなかったが、まず初戦を取ったことが大きいだろう。

 

 日本は16日にタイ戦に臨む。中2日という過密日程だが、総力戦でタフな戦いを制して、五輪の切符を手にしてほしい。

 

(文/大木雄貴)