29日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージが開幕し、東京ヤクルト(レギュラーシーズン2位)が1−1の同点から6回に2点を勝ち越し。その後の巨人(同3位)の反撃を1点に抑えて逃げ切り、ファイナルステージ進出へ王手をかけた。

◇ファーストステージ
 Gキラー・村中、好救援(ヤクルト1勝、神宮)
巨人       2 = 000100001
東京ヤクルト  3 = 00001200×
勝利投手 村中(1勝0敗)
敗戦投手 高木(0勝1敗)
セーブ   林昌勇(1S)
本塁打  (巨)大村1号ソロ
 ヤクルトが短期決戦ならではの選手起用で、得意のロースコアゲームに持ち込み、大事な初戦をモノにした。
 先発はヤクルトがチームの勝ち頭(11勝)・舘山昌平、巨人はルーキーの沢村拓一。舘山が強力巨人打線に対し、走者を出しながらも粘りの投球をみせると、沢村は伸びのある速球で相手を牛耳る。

 均衡が破れたのは4回。巨人は1死からアレックス・ラミレスが内野安打で出塁すると、続く小笠原道大のライト前ヒットで一気に三塁へ進む。この好走塁に触発されたのか、高橋由伸が初球を叩いてタイムリー。1点を先制する。

 反撃したいヤクルトは5回、2死から7番・森岡良介が2打席連続となるライト前ヒット。相川亮二も続き、この試合、初めて得点圏に走者を進める。9番・舘山の打順で小川淳司監督は勝負に出た。まだ1点差ながら早くも代打・藤本敦士を起用。これに応えた藤本が甘く入ったスライダーをセンター前に運び、試合は1−1の振り出しに戻る。

 さらに小川監督は6回から先発要員の左腕・村中恭兵を投入。今季、巨人相手に3勝をあげているGキラーがこのイニングをゼロに抑え、流れを呼び込む。その裏、ヤクルトは1死から田中浩康が内野安打で出塁。続く青木宣親のファーストゴロを小笠原がお手玉し、チャンスが広がる。4番・畠山和洋が四球を選んで、すべての塁が埋まり、打席には5番・宮本慎也。間もなく41歳を迎えるベテランはきっちりとセンターにフライを上げ、勝ち越しのランナーが生還する。勢いが出てきたヤクルトはウラディミール・バレンティンにもタイムリーが飛び出し、3−1とリードを広げた。

 すると村中は7回、8回と巨人打線をいずれも三者凡退に仕留める好投。9回に2死から代打・大村三郎にソロホームランを浴びたものの、最後はバトンを引き継いだ林昌勇が1球で坂本勇人をセカンドフライに打ちとり、接戦を制した。

 巨人は1点リードの5回に先頭の坂本が二塁打で出塁しながら、バント失敗で好機を生かせず無得点。守りでも小笠原のエラーが失点につながり、ミスで主導権を手放した。第2戦はヤクルト・石川雅規、巨人・内海哲也の左腕対決が予想される。