プロ野球の日本シリーズが15日、第３戦を迎え、１、２戦と連敗した福岡ソフトバンクが序盤、中盤、終盤と得点を重ねて逃げ切り、対戦成績を１勝２敗とした。
◇第３戦
打線も復調、12安打（ソフトバンク１勝２敗、ナゴヤドーム）
福岡ソフトバンク ４ ＝ １００２０００１０
中日 ２ ＝ ０００００１０１０
勝利投手 攝津（１勝０敗）
敗戦投手 ネルソン（０勝１敗）
セーブ ファルケンボーグ（１Ｓ）
本塁打 （ソ）多村１号２ラン、細川１号ソロ
ホームでは元気のなかったソフトバンクが敵地で“らしさ”を取り戻し、今シリーズ初勝利を収めた。
流れをつかんだのは初回の攻撃だ。立ち上がりの不安定な中日先発のマキシモ・ネルソンから２番・本多雄一が四球を選んで出塁。続く内川聖一の打球をサードの森野将彦がファンブルしてしまう。４番に入った小久保裕紀は三振に倒れたものの、２死一、二塁。ここで打席には松田宣浩を迎える。１、２戦と調子がいまひとつだった右打者はスライダーをセンターへ。これがタイムリーとなり、ソフトバンクが１点を先行した。
そして先発の攝津正が傾いた流れを離さなかった。シリーズ初登板ながら、ヒットのランナーを一塁に背負った初回を三振ゲッツーで切り抜けると、２回以降は、中日打線に快音を響かせない。５回まで毎回三振を奪い、初回の１安打のみに封じる。
すると不振だった大砲が流れを完全に引き寄せる。４回、内野安打で出た長谷川勇也を一塁に置き、７番・多村仁志が２球目のストレートをとらえた。打球は左中間スタンドへ飛び込む２ラン。ヤフードームでは眠っていた男がナゴヤドームで目覚め、ソフトバンクは貴重な追加点をあげる。
中日の反撃は６回。１死から代打の野本圭がセンター前ヒットでのろしをあげ、荒木雅博もレフト線への二塁打で続く。ここで第１打席でヒットを放っている井端に期待がかかったが、ストレートに詰まらされてセカンドゴロに倒れる。この間に１点は返したものの、打線がなかなかつながらない。３番・森野も同じようなセカンドゴロで、この回の攻撃は１点にとどまった。
すると８回、ソフトバンクは女房役の細川亨がレフトへダメ押しとも言えるホームランを放つ。この日のソフトバンクは初回から８回まで毎回の12安打。得点にはつながらなかったが３つの盗塁を決め、足でも相手バッテリーを揺さぶった。
中日は８回に相手のミスに乗じて１点を返すも、終わってみればわずか４安打。最終回は馬原孝浩の代わりにマウンドに上がったブライアン・ファルケンボーグの前に３人で攻撃を終了した。もともと打線に迫力がないチームとはいえ、３戦連続で２点止まりでは今後の戦いも苦しくなってくる。第４戦は中日が山井大介、ソフトバンクが最多勝右腕のＤ.Ｊ.ホールトンの先発が予想される。