(写真:「ペナルティエリア内での質を上げることが大事」と語る高倉新監督)

(写真:「ペナルティエリア内での質を上げることが大事」と語る高倉新監督)

 27日、日本サッカー協会(JFA)は日本女子代表(なでしこジャパン)の新監督として、高倉麻子氏の就任を発表した。高倉監督は現在、U-20女子代表の監督を務めているが、今後はなでしことU-20女子代表を兼任する。6月に行なわれるアメリカ女子代表との親善試合が高倉新指揮官の初陣となる。

 

 指揮官に任命された高倉氏は「世界の女子サッカーは進歩している。なでしこらしくテクニックを活かして、全員がハードワークをするサッカーを目指し、どの大会でも優勝を狙う」と抱負を述べた。

 

 高倉氏任命の理由を登壇したJFAの今井純子女子委員長はこう語った。

「元代表選手として高倉さん自身、W杯、オリンピックに出場した経験がある。また指導者として育成年代の指導を続けている。日本の若手選手ばかりでなく、世界のトップレベルの若手選手をよくわかっている。そして日本女子サッカーの発展への情熱が非常に強い」

 

 今井委員長に続いてJFAの田嶋幸三会長は「皆さんの予想通りというか、この人しかいない。高倉さんがなでしこの監督を引き受けてくれたことをうれしく思う。今井委員長の話を聞いている中で、なでしこを勝たせる可能性がある監督が高倉さんだと私は思った」と語った。

 

 高倉新指揮官は04年に現役を引退後、11年にS級コーチライセンスを取得。13年より2014FIFA U-17女子W杯出場を目指すU-16サッカー日本女子代表の監督に就任すると、日本をU-17女子W杯の優勝まで導いた。

 

 高倉氏を指揮官に据え、なでしこは新たな航海に出航する。求められるものは、佐々木則夫前監督のスタイルを継承しながらの世代交代だ。

 

 これについて高倉監督は「今まで素晴らしい成績を収めた選手たちと若手を融合して新しく強いなでしこジャパンを作っていきたい」と語った。

 

 新しい血を入れつつ、なでしこを再び世界の頂きに輝かせることができるのか。初陣となるアメリカ代表との試合について指揮官は「これ以上ない相手。今もっている私の力と選手の力を100%発揮できるようにぶつかって、私の目で何が足りないか見極めていきたい」と位置づけた。

 

 どんな選手を選び、どんな采配を振るうのか。高倉監督の手腕に期待したい。

 

(文・写真/大木雄貴)