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(写真:「選考されていない選手の想いも胸に抱きながら頑張りたい」と意気込んだ上田)

 19日、日本トライアスロン連合(JTU)は東京都内のホテルで理事会を行い、リオデジャネイロ五輪日本代表4名を発表した。女子は北京五輪から3大会連続出場となる上田藍(ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)に加え、加藤友里恵(ペリエ・グリーンタワー・稲毛インター)と佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ)の初出場組が代表入りを果たした。男子は田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)がアテネ五輪から4大会連続で選ばれた。

 

 JTUの國分孝雄会長は「東京オリンピックを控えて、一段と力を入れて臨んでいきたい。目標は男子が16位以内、女子は8位入賞」と抱負を述べた。続けて「本心を申し上げますと、メダルを狙ってもらいたい。そして狙える可能性があるのではないかと思っています」と本音も覗かせた。

 

 約1年行われたリオ五輪選考レース。そのランキングにより、国・地域に枠が与えられる。日本女子は1つの国・地域の最大枠の3を手に入れた。中でも女子の第一人者である上田に寄せられる期待は大きい。JTUの大塚眞一郎専務理事は「現在、日本が誇るエース。今回のチームジャパンも先頭に立って引っ張っていただき、入賞はもちろんメダルまで手が届く選手だと我々は確信しています」と胸を張る。

 

 上田は「いよいよリオの舞台に立てるスタートラインを勝ち取った。その覚悟が決まりました」と意気込む。年齢は32歳とベテランと呼ばれる域に入ってきた。だが今も自己ベストをマークするなど本人に衰えを感じる様子はない。「脂が乗ってきている」と身心ともにピークを迎えている手応えがあるようだ。コーチを務める山根英紀は「自分の持っているエネルギーが伸びてきていて、見ていて心配ない」と太鼓判を押す。

 

 今月14日のITUトライアスロンシリーズ横浜大会で3位に入ったことで自信を深めたようだ。上田は「引き出しがたくさんあり、それを体現できる身体もできている。質が高まっている感覚があります」と口にする。日本人の最高成績は北京五輪での井出樹里の5位入賞だ。上田はバレーボール、水泳、陸上競技を経て、本格的にトライアスロンに転向。競技歴は14年を数える。初出場の北京五輪は17位、ロンドン五輪は39位だが、彼女は3度目の五輪で頂点をにらんでいる。「私個人は金メダルを狙っている。センターポールに日の丸を掲げたい」と力強く宣言した。

 

【リオデジャネイロ五輪日本代表内定選手4名】

 

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(写真:リオ五輪代表に決まりポーズをとる選手たち<左から加藤、上田、田山、佐藤>)

・男子

田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員) 4大会連続4回目

 

・女子

上田藍(ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター) 3大会連続3回目

加藤友里恵(ペリエ・グリーンタワー・稲毛インター) 初

佐藤優香(トーシンパートナーズ、NTT東日本・NTT西日本、チームケンズ) 初

 

※数字は五輪出場歴

 

(文・写真/杉浦泰介)