(写真:「誰かがいなくなるとチーム力が下がるようなチームは作らない」と話す高倉監督)

(写真:「誰かがいなくなるとチーム力が下がるようなチームは作らない」と話す高倉監督)

 20日、日本サッカー協会は女子アメリカ代表との親善試合(6月2日、5日)に臨む女子日本代表(なでしこジャパン)のメンバー20名を発表した。GK池田咲紀子(浦和レッズレディース)、DF佐々木繭(ベガルタ仙台レディース)、MF高木ひかり(ノジマステラ神奈川相模原)、MF千葉園子(ASハリマアルビオン)、MF中里優(日テレ・ベレーザ)の5名が初選出となった。去就に注目の集まるMF宮間あや(岡山湯郷Belle)は代表招集を辞退。エースナンバーとなる背番号10番はMF阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)に託された。

 

 新監督のもと、新たなメンバーで世界女王のアメリカに挑む。

 

 高倉麻子新監督は今回のリストに名を連ねた20人について、「年齢で区切ることはないという話は就任の時にしたが、なでしこジャパンは未来に向かって進んでいることも確かです。最近見ている中で、少しでも進歩している、伸びている要素が見える選手を選んだ」と語った。その言葉通り、ノジマステラ神奈川相模原、ASハリマアルビオンなど、なでしこリーグ2部からでも勢いのある選手を呼んだ。一方で、「今回はこのメンバーを選んだが、1年後、このメンバーの半分が残っているかは、私にもわからない」と厳しさも覗かせた。

 

 今後、なでしこジャパンに入る選手の条件についても言及した。高倉監督によると以下の4つの点を重視するとのことだ。

・テクニックがあってクレバーな選手

・走力(持久力とスピード両方)のある選手

・チームのために戦うことができる選手

・代表への想いが強い選手

 

 4つの資質を持っていると高倉監督に認められ、5名の選手がなでしこ初選出となった。彼女たちについて指揮官は評価を口にした。

「佐々木は非常にテクニックがあり、戦術理解度が高い。状況判断もすごくいい選手。中里は運動量があり予測が優れているのでこぼれ球を拾える。小柄だが身体も強い。池田はGKとしての資質が高い。精神的にも安定している。フィードも正確なので、期待を込めて選出した。高木は世代別の代表では名前が常に入っていた選手。技術もあり、局面の判断、読みがいい。千葉は今まで世代別の代表では名前があがってこなかったが、身体能力が高く、技術がありメンタル的にもすごく強い。どんなプレーをするか私自身も楽しみ」

 

 新10番を託された阪口にも期待したい。今まではMF澤穂希というスターの隣であまり目立たなかったが、代表キャップも100を数えるなど国際経験も十分だ。指揮官も「日本の中では最高峰のレベルの選手。より自覚をもって、代表を引っ張ってほしい」とリーダー役として期待を寄せる。

 

 今回の遠征ではアメリカ戦が6月2日と5日に組まれている。短期間で2度も対戦できる日程だ。現・世界女王に新生なでしこがどこまで戦えるか、しかと見届けよう。

 

【なでしこジャパンメンバー20名】

GK

山根恵里奈(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

池田咲紀子(浦和レッズレディース)

山下杏也加(日テレ・ベレーザ)

DF

有吉佐織(日テレ・ベレーザ)

宇津木瑠美(モンペリエHSC)

川村優理(ベガルタ仙台レディース)

熊谷紗希(オリンピック・リヨン)

佐々木繭(ベガルタ仙台レディース)

村松智子(日テレ・ベレーザ)

MF

阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)

中島依美(INAC神戸レオネッサ)

杉田亜未(伊賀フットボールクラブくノ一)

高木ひかり(ノジマステラ神奈川相模原)

千葉園子(ASハリマアルビオン)

中里優(日テレ・ベレーザ)

増矢理花(INAC神戸レオネッサ)

FW

大儀見(永里)優季(1.FFCフランクフルト)

菅澤優衣香(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

岩渕真奈(バイエルン)

横山久美(AC長野パルセイロレディース)

 

(文・写真/大木雄貴)