今月11日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチでチャンピオン内藤大助選手への反則行為に対し、厳しい処分を受けた亀田大毅選手(協栄)が17日、父親の史郎氏、協栄ジムの金平桂一郎会長とともに日本ボクシングコミッション(JBC)を謝罪に訪れた。 
 会見では、史郎氏が「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。これから一歩一歩やっていきますので、今後ともよろしくお願いいたします」と神妙な面持ちで謝罪をした。
 しかし、前日に反省の意を込めて剃ったという丸刈り姿で現れた大毅選手は終始うつむいたまま、結局一言も語らずに数分たらずで会見場を後にした。顔には生気がなく、憔悴しきった様子の大毅選手。立つことさえもままならないその姿からは過剰なまでの落胆ぶりがうかがえた。

 大毅選手が退場した後、金平会長と史郎氏が記者団からの質問に応答した。内容は次の通り。

――大毅選手は一言も話さなかったが、気持ちは?
史郎氏: 家でもずっとあの状態。昨日は自分で丸刈りをして自分ができる精一杯の気持ちを出したのだと思う。みんなの前に出て話せなくても、態度だけでも示そうという気持ちが少しでもわかってもらえたらな、と思ってやったと思う。

――JBCよりも先に内藤選手の所に謝罪に行くのが筋だと思うのですが。
金平会長: JBCから懲罰を受けたことに関してのお詫びをして、その上で改めて内藤選手の所に行かせていただいきたいと思っている。

――大毅選手への処分(1年間の出場停止)に対して「あまりにも重い」という発言があったが、異議申立てをするつもりなのか。
史郎氏: 出たものは仕方ないと思っている。

――これまでの亀田家の言動やボクシングスタイルについては、今はどう思うか。
史郎氏: とりあえずこれまでのが自分らのスタイルなので。反則行為に関しては指導していくつもり。(パフォーマンスについては)今はちょっとわからない。
金平会長: 結果が全てだと思う。勝てばよし、負ければ何も語らない。負けたのだから、どのような批判を受けても仕方ないと思っている。次にまた一から出直ししたい。

――問題となっている反則の指示については?
史郎氏: 指示はしていない。

――具体的にどのような言葉を言ったのか?
史郎氏: 「ポイントも取られているから、悔いのないように戦え」と言った。あとはどう捉えられようが自由。とにかく、オレらは言ってない。

――内藤選手や宮田陣営に謝罪するつもりは?
史郎氏: 今は大毅がああいう状態なので、日を改めてと考えている。