4月4日(水)
【高校野球】
◇決勝
 藤浪、12安打も3失点完投
光星学院(青森)   3 = 002010000
大坂桐蔭        7 = 20300011×
【本塁打】
(大)小池
 ともに初優勝を狙う光星学院と大阪桐蔭との決勝戦は、強風が吹き荒れる中、序盤から激しい打撃戦となった。1回表、まずは光星学院が先制のチャンスをつかむ。先頭の天久翔斗(3年)のフラフラと上がった打球は強風にあおられ、内外野の間にポトリと落ちるテキサスヒットとなる。2番・村瀬大樹(3年)が犠打を試みるも、これを大阪桐蔭エースの藤浪晋太郎(3年)が二塁へ送球した。しかし間に合わず、フィルダースチョイスとなって無死一、二塁となった。だが、自らピンチを招いた藤浪が踏ん張った。3番・田村龍弘(3年)をショートへの併殺打に打ち取ると、4番・北條史也(3年)は四球で出すも、5番・武田聖貴(3年)を内野ゴロに打ち取り、得点を許さなかった。

 その裏、大阪桐蔭は2死から3番・水本弦(3年)が両者通じて初安打を放つと、打席には4番・小池裕也。2戦目以降、初戦で死球を受けて骨折した田端良基(3年)の代わりに4番を務めてきた小池が、真ん中低めの変化球をレフトスタンドへ運び、大阪桐蔭が2点を先制した。

 2回は両者ともに満塁のチャンスを生かすことができず、迎えた3回表、光星学院は田村、北條、武田とクリーンアップの怒涛の3連打で2点を挙げ、試合を振り出しに戻した。しかしその裏、大阪桐蔭は1死から小池、5番・安井洸貴(3年)の連打で1点を挙げると、さらに6番・笠松悠哉(2年)が死球で出塁し、1死一、三塁とした。7番・白水健太(3年)、8番・水谷友生也(2年)にもタイムリーが出て、2点を追加。大阪桐蔭が3点を勝ち越した。

 一方、光星学院も5回表、田村、北條に再び連打が出て1点を返し、その差を2点とした。投げては3回途中にリリーフしたエース金沢湧紀(3年)が4、5回と大阪桐蔭打線を三者凡退に切ってとる好投を見せた。しかし終盤に入ると、その金沢を大阪桐蔭打線がとらえた。7回裏、先頭の2番・大西友也(3年)が内野安打で出塁すると、盗塁、金沢の暴投で三進し、3番・水本弦(3年)の犠飛で6点目のホームを踏んだ。さらに8回裏にも1点を追加した大阪桐蔭4点リードで最終回を迎えた。

 マウンドにはここまで11安打を打たれながらも3失点に抑えてきた藤浪。まずは先頭の2番・村瀬を投ゴロに打ち取り、1死とした。しかし、光星学院も粘りを見せる。この試合2安打を放っている田村が藤浪の140球目、真ん中低めの直球をセンターへ運び、1死後には藤浪の暴投で二塁へ進んだ。しかし、藤浪は慌てることなく、最後は武田を威力ある直球でレフトフライに打ち取り、大阪桐蔭がセンバツ初優勝を決めた。12安打を打ちながら、なかなか得点することができなかった光星学院。特に2、5回と2度の満塁のチャンスをいかすことができなかったことが大きく響いた。

 大阪桐蔭・西谷浩一監督の優勝インタビューは次の通り。
「相手も強いので簡単には勝てないと思ったが、簡単には負けないという気持ちで挑んだ。先制点をとれたことが大きかった。藤浪もよく投げた。守りのミスはいくつかあったが、最終的にはよく粘れたと思う。1回戦から苦しい試合ばかりで勝ったというよりも粘り抜いたという気持ち。チームが結束すれば、負けないということを選手から学ばせてもらった」