4日、ロンドン五輪選考会を兼ねた第88回競泳日本選手権3日目が行なわれ、昨夏の世界水泳代表の入江陵介(イトマン東進)と古賀淳也(第一三共)が男子100メートル背泳ぎ決勝に出場した。レースは入江が52秒91で優勝し、北京に続き2大会連続の五輪出場を決めた。100メートル一本に絞り、このレースに全てをかけていた古賀は2位に入ったものの派遣標準記録を突破することはできず、今回も五輪切符獲得はならなかった。また男子200メートル自由形決勝では、松田丈志(コスモス薬品)が唯一派遣標準記録を突破する1分45秒96で優勝し、アテネから3大会連続の五輪出場を決定。女子100メートル平泳ぎ決勝で優勝した鈴木聡美(山梨学院大)と2位の松島美菜(セントラルスポーツ)がともに初の五輪代表の座を射止めた。なお、女子200メートル自由形決勝では派遣標準記録を突破した選手がおらず、個人での五輪代表内定者は生まれなかった。
 女子100メートル背泳ぎの寺川綾(ミズノ)は準決勝を1位で終え、明日5日の決勝に駒を進めた
(写真:100メートルでは初の五輪切符を獲得した入江)
【選手のコメント】
入江陵介
「この日のために練習してきて、辛い時もあったが、今はすごくホッとしている。北京五輪で悔しい思いをしてから、ローマ、上海での世界選手権を経て、着実に世界のトップ3に入れる力をつけられたことが一番成長した部分だと思う。昨日(予選、準決勝)まではリラックスして泳げたが、今日の決勝は本当にドキドキした。やはり一発勝負の世界なので、一つのミスが命取りになる。そういう中でとても緊張した。記録については正直、全く満足していない。前半で離されてしまうので、もう少し速く入っていかないと、後半の最後にまくりきれないので、もっとスピード強化をしていきたいと思う。メドレーリレーに出たいと思って100メートルをやってきた。ロンドンでは康介さんと組むチャンスにもなると思うので金メダルを目指して100メートルの力をもっとつけたい。(100メートルでは初出場だが)出る限りは入賞が目標というわけにはいかないので、ゴールドを目指して頑張っていきたい。4年前は(五輪の)重圧に押されてしまったが、今はそれをはねのけるだけの力はついていると信じている」

寺川綾
「(ラストは)少し余裕をもって泳いだ。明日の決勝は後半勝負だと思うので、今日余裕をもった分、最後に上げていって58秒台を狙いたい。本当はもっと入り込んで集中するというイメージだったが、今日はどこかで選考会の準決勝と思ってしまっていた。五輪では口から心臓が出るほど緊張すると思う。そういうことにも慣れておきたいので、明日はもっと集中して緊張感をもって臨みたい。(決勝は)8人全員が五輪を目指してくるので気を抜けない。記録に関しては自分との戦いなので、自分のレースに徹して泳ぎたい」

 主な結果は次の通り。

<男子100メートル背泳ぎ・決勝>
1位 入江陵介(イトマン東進) 52秒91
2位 古賀淳也(第一三共) 54秒14 ※派遣標準記録に届かず

<男子200メートル自由形・決勝>
1位 松田丈志(コスモス薬品) 1分45秒96 
2位 小堀勇気(能美SC)    1分47秒71 ※派遣標準記録に届かず
3位 外館祥(イトマン)    1分48秒15 
4位 石橋千彰(中央大)    1分48秒16 
※松田は個人、800メートルフリーリレー代表に決定
※2位から4位の選手は800メートルフリーリレーのみ

<女子100メートル平泳ぎ・決勝>
1位 鈴木聡美(山梨学院大)  1分6秒秒80
2位 松島美菜(セントラルスポーツ)1分7秒54

<女子200メートル自由形・決勝>
1位 上田春佳(キッコーマン) 1分57秒41 ※派遣標準記録に届かず
2位 伊藤華英(セントラルスポーツ)1分58秒13 ※派遣標準記録に届かず
3位 松本弥生(日体大大学院) 1分59秒44 
4位 高野綾(イトマン)    1分59秒46 
※個人での代表内定者なし、上位4名は800メートルフリーリレーの代表に決定

<女子100メートル背泳ぎ・準決勝>
1位 寺川綾(ミズノ) 59秒75 
2位 酒井志穂(ブリヂストン)1分00秒45
3位 稲田法子(セントラルスポーツ)1分00秒55
4位 竹村幸(イトマン) 1分1秒41
5位 原田真衣(東京SC) 1分1秒85
6位 辻本菜穂(イトマン)1分1秒85
7位 田部井恵理(日体大大学院)1分1秒92
8位 諸貫瑛美(筑波大) 1分2秒07