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(写真:伊予銀行のマスコット・とりカエル<右端>と共に記念撮影する選手たち)

 4月23日、松山・ニンジニアスタジアム。サッカーの明治安田生命J2リーグ第9節の愛媛FCvs.カマタマーレ讃岐の「北四国決戦」が行われた。試合前までの順位は1試合消化の少ない愛媛が14位と苦戦している中、讃岐は5位と健闘していた。讃岐がJ2に昇格した2014年から数えて5戦目となる“ダービー”。これまでの対戦成績は3勝1分けと愛媛が負けなしだった。

 

 

 リーグ戦は連勝中と波に乗りつつある愛媛。連戦が続くゴールデンウィークを前に勢いを加速させたいところだ。ホーム3試合での平均観客動員数は約3716人と昨シーズンの年間平均3771人を下回っていた。そこで観客動員8000人を目標に定めた集客のサポートをしたのがマッチスポンサーを務める伊予銀行だ。伊予銀行は愛媛FCのスポンサー。J昇格初年度から毎年、「伊予銀行サンクスデー」をサポートし、様々なイベントを催していた。

 

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(写真:当日は伊予銀行の大塚頭取<左>と愛媛FCの豊島社長も駆け付けた)

 動員アップに少しでも寄与すべく、伊予銀行はサンクスデー前2週間にわたって本店とスタジアム近隣店舗(砥部支店、原町支店)でロビー展を開催した。愛媛FCの写真やユニホームを展示し、砥部支店では行員がレプリカユニホームを1週間着用して営業をするなど機運を盛り上げた。チラシも県内営業店に配布しながら、全営業店ではデジタルサイネージ(電子看板)を掲出し、広くアピールした。

 

 伊予銀行内での関心度アップを図り、FW西田剛とMF三原向平の2選手が来行した。トレーニングの合間を縫って、昼食時に食堂へ集まった行員と触れ合った。

 

 11回目となったサンクスデーでは、コレオグラフィーを今年も実施。来場者にオレンジ色のボードを配布し、スタジアムを愛媛カラーに染めようとした。さらにはバックスタンドには「クマモトトトモニ」のメッセージとジャンボユニホームを掲出。4月14日から断続的に発生している地震の被災地・熊本にエールを送った。

 

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(写真:伊予銀行×愛媛FCがコラボした特製タオルマフラーが配られた)

 来場者先着3000名にタオルマフラーを配布し、ハーフタイム抽選会で愛媛FCグッズ、伊方町と鬼北町の特産品をプレゼントするなどしてイベントを盛り上げた。

 

 しかし、迎えた試合日、伊予銀行からも約1800人が参加したが観客動員は4323人と伸びなかった。4月23日時点では今シーズンのホームで開幕戦に次ぐ入りだったが、最近のサンクスデーでは最低の動員となった。それには当日に雨が降ったことが大きく影響したのだろう。

 

 試合は愛媛と讃岐が一進一退の攻防。均衡を破ったのは後半31分だった。セットプレーから愛媛が先制。MF内田健太のCKから決めたのはDF林堂眞だ。愛媛はその1点を守り切って、見事に3連勝を果たした。

 

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(写真:オレンジの壁を築いたサポーターによるコレオグラフィー)

 目標の観客数には及ばなかったものの、その後は動員もやや上昇傾向にある。愛媛FCは5月29日現在、3勝7分4敗で22クラブ中16位。順位の上では苦戦が続いているが、ホームゲームでの1試合あたりの観客動員数は4163人と増えてきている。伊予銀行は「今後も愛媛FCのファンとなって、継続して応援に参加するようなサポーターが1人でも多く増える取り組みを継続したい」と前を向いて背中を押す姿勢は変わらない。

 

 サポートをするのはサッカーに限ったものではない。愛媛県がスポーツサイクルの振興に取り組んでいることもあり、今回のサンクスデーではニンジニアスタジアム周辺の渋滞緩和の狙いもあって自転車での来場を推進した。自転車来場者へのソフトドリンクをプレゼントし、駐輪用のサイクルスタンドをスタジアム近くに設置した。スタンドは20名ほどの観客が利用し、中には県外の香川県丸亀市からの来場者もいたという。

 

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(写真:試合前のジュニアサッカー大会「伊予銀行カップ」は今年も行われた)

 サッカーとサイクリング。愛媛県が誇る2つのスポーツが両輪として地域活性化を図っている。それは愛媛FCの練習メニューに自転車トレーニングを取り入れることや、選手が練習場への移動に自転車を使用することでも広がるはずだ。「潤いと活力のある地域の明日を創る」を企業理念のひとつに掲げる伊予銀行は、そのためのサポートを惜しまない。

 

 他にも伊予銀行では各地域の夏祭りでは8月12日にスタートする「第51回松山まつり」で風物詩の「野球拳おどり」に伊予銀行連を結成して参加する。2年ぶりの優勝を目指す。11月には「エコノミクス甲子園」の愛媛県大会をエミフルMASAKIで開催し、高校生の金融知力向上に助力する。

 

 伊予銀行は今後も地元のスポーツや、地域を活性化するイベントと協同し、愛顔(えがお)をつないでいくつもりだ。

 

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