今季、中日からボルチモア・オリオールズに移籍したチェン・ウェインが11日、本拠地でのニューヨーク・ヤンキース戦にメジャー初登板を果たした。チェンは初回の先頭打者にいきなりホームランを浴びながら、以降は立ち直る。しかし、リードして勝ち投手の権利を手にした6回に味方のエラーもあって同点に追いつかれ、5回3分の2を投げて7安打4失点(自責点2)で勝敗はつかなかった。試合は延長戦の末、ヤンキースが5−4で勝利した。
 チェンにとっては不運なかたちで名門球団相手の初勝利を逃した。
 立ち上がりはボールが先行し、先頭のデレク・ジーターに3ボール1ストライクからセンターへ先制アーチを浴びる。さらに2番のニック・スウィッシャーに二塁打を打たれ、得点圏に走者を背負った。しかし、3番のロビンソン・カノ、5番のマーク・テシェイラら怖いバッターを打ち取り、初回を最小失点で切り抜ける。

 すると2回以降は立ち直り、2〜4回を3イニング連続で三者凡退。5回は連打でピンチを招いたが、ホームランを許したジーター、ヒットを打たれているスウィッシャーに凡打に仕留め、無失点に抑える。その間に味方打線が左腕を援護し、4−1と逆転。チェンは初登板初勝利の権利を得た。

 だが6回、カノの内野安打をきっかけに1死満塁とされると、アンドルー・ジョーンズの犠牲フライで1点を返される。続くラッセル・マーティンの打球はサードの正面の当たり。これで難なくチェンジと思いきや、サードのマーク・レイノルズがファンブルし、三塁走者の生還を許す。まさかの失点に気落ちしたのか、次打者のブレット・ガードナーに初球をライト前へ運ばれ、4−4の同点に追い付かれた。

 チェンはここで無念の降板。ただ、メジャーリーグ屈指の強力打線に通用することを示せた点は今後につながる。日本で36勝をあげ、飛躍を遂げた26歳は次回の登板で初白星を目指す。