ボルチモア・オリオールズのチェン・ウェインが18日、敵地でのシカゴ・ホワイトソックス戦に先発し、メジャー初勝利をあげた。今季2度目の先発となったチェンは5回まで相手を0点に抑える。6回に崩れて1点差に詰め寄られたが、5回3分の1を投げて6安打2失点の内容で白星を手にした。試合はチェンの後を継いだリリーフ陣がホワイトソックス打線を封じ、オリオールズが3−2で逃げ切った。
 中日時代からメジャーリーグを夢見ていた左腕にとっては念願の1勝だ。
 前回のデビュー登板ではニューヨーク・ヤンキースの強力打線相手に好投しながら、中盤に追いつかれ、惜しくも勝ち投手の権利を逃した。この日もチェンは初回から順調にアウトを重ねていく。

 立ち上がりの先頭打者こそ四球で歩かせたものの、後続をすべてフライアウトで打ち取り、リズムに乗る。2回以降は速球と変化球のコンビネーションで各打者を手玉にとった。2〜5回までは先頭打者を確実にアウトにし、先取点を許さない。4回には2死から連打で一、二塁と走者を背負うが、7番のアレクセイ・ラミレスに低めのボールでピッチャーゴロを打たせ、ピンチを脱した。

 すると6回、味方打線がようやくチェンを援護する。1死一塁から1番のノーラン・ライモールドがレフトへの2ランを放ち、先制。続くJ.J.ハーディもレフトスタンドに運ぶ連続アーチで大きな3点をプレゼントした。

 ところがリードして投げ急いだのか、チェンはその裏、突如乱れる。先頭打者に甘く入ったボールをセンター前へ運ばれると、1死後、今度は勝負球が決まらず、四球で歩かせて塁上に走者がたまる。迎えたA.J.ピアジンスキーの打席で初球がワイルドピッチ。二、三塁とそれぞれ走者が進んだところで、3球目のアウトローのボールをうまく打たれて2点を失った。

 さらにヒットが続き、1死一、三塁となったところでチェンは降板。代わってマウンドに上がったダレン・オディが見事な火消しをみせ、同点の走者をホームに還さなかった。試合はそのまま1点差で最終回に突入し、オリオールズ抑えのジム・ジョンソンが四球と味方のエラーで1死一、三塁のピンチを招く。だが、代打の福留孝介はサードライナー。なおも2死満塁の場面を内野ゴロで切り抜け、ヒヤヒヤながら勝利にたどりついた。

 チェンは前回のヤンキース戦も含め、5回までしっかり先発の仕事ができている。いずれも6回に失点してマウンドを降りた点は今後の課題だが、今後、投手力の弱いオリオールズにとって貴重な存在になることは間違いない。