テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が20日、敵地のデトロイト・タイガース戦に今季3度目の先発登板を果たした。この日のダルビッシュは直球に威力があり、メジャー移籍後最長となる6回3分の1、121球を投げて、2安打1失点5奪三振5四球。試合はレンジャーズが10−3と快勝し、ダルビッシュは2勝目(0敗)をあげた。
 メジャーリーグで先発を評価する指標としてあげられるクオリティスタート(6回を3自責点以内)。ダルビッシュは3度目の正直で、この要件を満たした。

 初回からダルビッシュは指にしっかりと縫い目をかけるフォーシームを多用した。投じられたボールは初回から150キロを連発。このボールを軸にカウントを整えると、怖い3番のミゲル・カブレラをスライダーでショートゴロ、4番のプリンス・フィルダーはセカンドゴロに打ち取る。

 前の試合まで6連勝と波に乗るレンジャーズは、初回、2回と1点ずつをあげて右腕を援護。ダルビッシュは1回から3回まで毎回ひとりずつの走者を背負ったが、前回登板までのような不安定さはなかった。

 また課題になっていた左打者対策では緩いカーブに活路を見出した。3回2死一塁でブレンナン・ボーシュを左打席に迎えた際には、1ボール2ストライクと追い込み、外角に大きく曲げて空振り三振を奪う。続く4回も四球とマイケル・ヤングの二塁打で無死二、三塁のピンチを招いたものの、左打者のアレックス・アビラをアウトコースへのカーブでバットに空を切らせた。この回、ダルビッシュは次打者の内野ゴロの間に1点を失うも、タイムリーは許さず、最少失点にとどめる。

 直後の5回、レンジャーズは2点を追加し、4−1とリードを広げる。するとダルビッシュは裏のタイガースの攻撃を、いずれもストレートを打たせて三者凡退。中軸に打順が回ってきた6回もカブレラをライトフライ、左のフィルダーをまたも外角のカーブで空振り三振に切って取った。球数が100球を超えた7回は、四球と味方のエラーもあって無死一、二塁になったが、続く打者をフルカウントから外のスライダーで三振に仕留めた。

 ここで投球数が121となったダルビッシュは降板。2番手のアレクシ・オガンドが後続を抑えて、無失点で切り抜けた。5四球とまだ制球に難はあるが、明らかなすっぽ抜けや逆球は過去2回の登板と比べれば減少した。また公式戦で初めてバッテリーを組んだキャッチャーのヨルビト・トレアルバもストレートを中心に右腕が投げやすい配球をうまく組み立てていた。これまでの反省を生かし、先発の役割を果たしてつかんだ2勝目。背番号11が、またひとつメジャーでの階段を上がった。