テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が15日、敵地のミネソタ・ツインズ戦に今季2度目の先発登板を果たした。ダルビッシュは毎回、走者を背負う苦しい内容で5回3分の2、102球を投げて9安打2失点(自責1)、4奪三振5四死球で勝敗はつかなかった。試合はレンジャーズが2−2の同点から終盤に勝ち越し、6−2で勝利した。
 メジャー初登板で見えた課題は簡単には解消できなかった。
 前回のマリナーズ戦ではいきなり4失点を喫した立ち上がり、ダルビッシュは2死からジョー・マウアーにヒットを許したものの、4番のジャスティン・モーノーを空振り三振に仕留め、無難なスタートをみせる。

 だが、1点を先制してもらった2回、制球難が顔を出した。まず、先頭のジョシュ・ウィリンハムをフルカウントから歩かせる。続く打者にファーストゴロ併殺打を打たせて一気に2死無走者となるが、ダニー・バレンシア、クリス・バームリーと下位打線相手に球が甘くなり、連打を浴びる。ここでアレクシ・カシーヤのサードゴロを三塁手がはじき、不運なかたちで同点に追いつかれた。ダルビッシュはさらに満塁のピンチを招くが、ここは2番ジェイミー・キャロルに対し、アウトコースのボールで空振り三振で切り抜けた。

 すぐさま味方に1点を勝ち越してもらったダルビッシュだが、4回以降は窮地が続く。4回は先頭のライアン・ドーミットを2ストライクと追い込みながら、ライト前へ運ばれる。2死後、カシーヤへセンターへはじき返されて、一、三塁。次打者への2球目はインコースに外れて、キャッチャーが後逸してしまう。ただ、これはダルビッシュが素早くベースカバーに入り、本塁突入を試みた三塁走者をタッチアウト。何とか0点に抑えた。

 続く5回は先頭のデナード・スパンにライト線を破られ、無死二塁。2死は奪ったものの、4番のモーノー、5番のウィリンハムを四球で歩かせ、すべての塁が埋まる。打席には4回にヒットを打たれているドーミット。だが、ここもアウトローのボールでバットに空を切らせ、得点を許さない。

 しかし、6回も先頭打者をヒットで出塁させてしまうと、ワイルドピッチで3イニング連続で得点圏に走者を背負う。ダルビッシュは2死まで踏ん張るが、前の打席で二塁打を許しているスパンに右中間を破られ、ついに失点。2−2の同点に追いつかれた。さらに続くマウアーに死球、モーノーに四球を与えて、この日、3度目の満塁。たまらずロイ・ワシントン監督が交代を告げた。

 要所は締めて2失点にとどめたものの、投球の4割以上がボールでコントロールには苦しんだ。また被安打9のうち、7本を左打者(スイッチヒッター含む)に浴びており、左対策も求められる。初登板を踏まえ、ダルビッシュはワインドアップからノーワインドアップでの投球に切り替えた。試行錯誤しながらの登板が今後も続きそうだ。