28日、9月17日に横浜アリーナで開催される「HERO’S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦」の対戦カード発表記者会見が行われ、桜庭和志と柴田勝頼の対戦が発表された。また、柴田と師弟関係にある船木誠勝が桜庭との対戦希望を表明した。
(写真:ファイティングポーズをとる桜庭<左>と柴田<右>)
 総合3戦目の柴田が百戦錬磨の桜庭に挑む。
 柴田は今年3月、「HERO’S 2007 開幕戦」で山本宣久をわずか1R9秒でKOして、華々しい総合デビューを飾った。しかし、7月の「HERO’S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦」ではハレック・グレイシーに1R3分5秒でTKO負け。「(ハレック戦では)反省点がいっぱい見つかった。その部分を重点的にやってきた」と再起戦に向けて、トレーニングを積んできた。

「尊敬できる数少ないプロレスラーの一人」と言うだけあって、対戦相手の桜庭に対しては厚い敬意を示した。「非常に頭がいい選手。それにプロ意識が全然違う。入場から試合まで表現力がずば抜けている」と語り、「警戒すべきところは全て。精一杯頑張りたい」と力強く意気込んでいた。

 対する桜庭も柴田について「バランスがよくて、パンチ力がある。試合の経験は少ないが、やってみないとわからない。一発くらったら、お仕舞いだと思う」と山本戦を引き合いに出して警戒。一方で、終始硬い表情の柴田とは対照的に余裕を見せる場面も。会見の途中で「暑いですね」と自分の名前が入った扇子を出して仰ぎ、柴田のセコンドに船木がつくことを訊かれても「僕にはユン・ドンシクがついている」と一緒にトレーニングしているユンの名前を挙げて、報道陣を煙に巻いていた。

<船木「自分を受け止めてくれるのは桜庭だけ」>

 そして、今回の会見で周囲を驚かせたのが、7月の横浜アリーナ大会で現役復帰を発表した船木だ。「自分は今回の対戦カード発表とは関係のない人間で、この場所に何故いるかわからないのですが」と前置きをした上で「できれば大晦日に桜庭選手とやりたい。桜庭選手は9月に自分の弟子である柴田と試合をするが、その結果、(話を)受けるかを決めてほしい」と自身の復帰戦の相手に桜庭を指名した。

(写真:桜庭<左>を復帰戦の相手に指名した船木<右>) 続けて、船木は「(桜庭は)6月のロス大会の時に解説席から見ていて、『頑張っているな』と思っていた。同時に『自分はこんなところで何をしているんだ』と。自分のようなブランクのある人間が指名をするのはおこがましいが、自分を受け止めてくれるのは桜庭だけだと思っている」と桜庭との対戦への熱い思いを吐露。この発言を受けた桜庭は「(船木と)是非やりたいと思っています」と前向きなコメント。さらに「2人の試合は見てみたい。一回やらせてみたいと思っています」(前田日明スーパーアドバイザー)、「私も見たい。(2人の戦いを)一つのドラマにしたい」(谷川貞治HERO’S実行委員)と周囲も後押しする姿勢を見せた。

 一時代を築いた2人の格闘家があいまみえる日は確実に近づいている。

「HERO’S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦」
9月17日(月・祝) 横浜アリーナ 開場15:00 開始16:00

■発表対戦カード

<スーパーファイト>
桜庭和志(日本/チーム桜畑)×柴田勝頼(日本/ARMS)
ユン・ドンシク(韓国/フリー)×ゼレグ“弁慶”ガレシック(クロアチア/チーム・トロージャン)

<オープニングファイト>
佐藤豪則(日本/チーム桜畑)×長井憲治(日本/U-File Camp)
高橋渉(日本/チーム桜畑)×西内太志朗(日本/U-File Camp)

■変更カード

<スーパーファイト>
ミノワマン(日本/フリー)×ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)
⇒ミノワマン(日本/フリー)×ケビン・ケーシー(USA/ヒクソン・グレイシー柔術アカデミー)

■既報カード

<ミドル級世界王者決定トーナメント準決勝>
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカントップチーム)×ビトー“シャオリン”ヒベイロ(ブラジル/ノバウニオン)
ブラックマンバ(インド/フリー)×宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)

<スーパーファイト>
山本“KID”徳郁(日本/KILLER BEE)×ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル/グレイシーバッハ)