ボクシングの協栄ジムは6日、会見を開き、世界ボクシング協会(WBA)フライ級王者の坂田健史が11月4日、さいたまスーパーアリーナ・コミュニティーアリーナで、同級2位のデンカオセーン・カオビチット(タイ)2度目の防衛戦を行うことを発表した。
 2度目の防衛戦の相手として同じ所属の亀田興毅・大毅兄弟、また世界ボクシング評議会(WBC)同級王者の内藤大助(宮田)との統一戦なども浮上していたが、40戦39勝(16KO)1敗の戦績を持つデンカオセーンにを挑戦者として迎えることとなった。
(写真:2度目の防衛戦での勝利を誓うWBAフライ級王者の坂田)
 今年3月、4度目の世界挑戦でベルトを手にし、7月に暫定王者のロベルト・バスケス(パナマ)を下し、初防衛に成功した坂田。2度目の防衛戦に向けては、同ジムに所属する亀田興毅・大毅兄弟との対戦の可能性が浮上するなど注目を集めていたが、世界ランク2位のデンカオセーンとの対戦が決定し「正式に決まって一安心」とホッとした表情。強化したい部分を訊かれると「1つではなく、パワー、スピード、ディフェンス……全体的にアップさせたい」と語り、「王者だが、攻めの姿勢を貫き、堂々と戦って勝ちたい」と意気込んだ。
 協栄ジムの金平桂一郎会長は、「最強の挑戦者を選んだ。ファンにとっても興味深い試合になるのではないか。確実に勝って、これからもファンが見て“強敵”と認める強い相手と1つ1つ戦って、勝っていきたい」と期待を寄せた。

(写真:女子ボクサーとともに写真におさまる)
 10月11日、有明コロシアムで開催が予定されているWBC世界フライ級王者・内藤大助(宮田)と亀田大毅(協栄)の対戦について話題が及ぶと、金平会長は「周りが言うように、内藤君と大毅に力の差はない。大毅が必ず勝つ。客観的に見て、大毅は上り坂で内藤は下り坂。内藤は坂田とやった6年前(※01年7月16日、坂田が持つ日本フライ級王座に内藤が挑戦したが引き分けで坂田の防衛成功)のころが一番強かった。一方、大毅は練習を見ていても、どんどん強くなっている」とあらためて大毅の勝利を宣言した。

 坂田が11月4日の試合で防衛に成功すれば、今後また亀田家との対戦の話が浮上する可能性はある。坂田は「いつも言っているように、誰が来てもいつでも準備はできている。誰が相手になっても、決まったら全力でやるだけ」と冷静に語った。

あきべぇ、湯場とのタイトル戦に意欲
 9月17日、後楽園ホールにてWBA世界ウェルター級12位ファルカド・バキロフ(ウズベキスタン)と対戦する日本ウェルター級1位、プロ戦績15戦15勝(14KO)のハードパンチャー牛若丸あきべぇ(協栄)が会見を行い、日本タイトルへの意欲を見せた。
 金平会長は、17日のバキロフ戦に勝利することを前提に、11月4日の坂田×デンカオセーン戦の前座で、あきべえと日本ウェルター級王者・湯場忠志(都城レオスポーツ)との日本タイトル戦を行いたい、とした。
 あきべぇは「湯場選手が良い選手だと分かっている。きっちり倒して、自分が日本一だと証明したい」と日本チャンピオンのベルト獲得に意欲を見せた。
 世界ランカーのバキロフは、06年には湯場を負傷判定で下している強豪。あきベぇにとっては大きな壁となるが、日本タイトル戦を前に勝利を手にしたいところだ。
(写真:日本チャンピオン湯場への挑戦に意欲を見せるあきべぇ)

藤本りえ、協栄ジム所属で女子プロ第1号に
 7月に行われた坂田の初防衛戦の際、前座で公開スパーリングを行った日本女子バンタム級王者の藤本りえが、9月1日付で協栄ジム所属となったことを発表した。
 JPBA(日本プロボクシング協会)とJBC(日本ボクシングコミッション)は女子ボクシング認可に向けた動きを見せており、今秋にもプロテストが開催されるという。
 藤本はWBA、WBCの女子ランキング入りも果たしていることから、金平会長は「JBCの許可が得られたら、彼女の世界戦をしたい。JBC認可初の女子チャンピオンを目指す」と語った。
 藤本は「新たなチャンスが広がるので、世界を目指して頑張りたい」と笑顔で語った。
 9月10日、後楽園ホールにて予定されているJPBA加盟ジムの女子選手による公開スパーリングに藤本も出場予定。さらに17日に同ホールにて開催予定の「ガッツファイティング」(牛若丸あきべぇ(協栄)×ファルカド・バキロフ(ウズベキスタン)ほか)でもスパーリングを披露するという。
 また、藤本とともに7月に公開スパーリングを行ったユニーナ・アブロソワ(ロシア)とユリア・ベレジコワ(同)が再来日した。彼女たちも17日に公開スパーリングを行う予定。
(写真:右から、藤本、ロシア人ボクサーのニーナ&ユリア)

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