「マツダオールスターゲーム2016」第2戦が16日、横浜スタジアムで行われ、5-5の引き分けに終わった。2回に筒香嘉智(横浜DeNA)がソロホームランを放つなど、全セが2点を先制。全セ3点リードで迎えた5回には大谷翔平(北海道日本ハム)のソロ、浅村栄斗(埼玉西武)の2ランで全パが同点に追いつく。7回に大引啓次(東京ヤクルト)のタイムリーなどで5-4と全セが再び勝ち越したものの、8回には大谷に同点タイムリーが生まれた。最後まで両軍譲らぬままゲームセット。第2戦MVPは3安打2打点の大谷が選ばれた。

 

◇第2戦

 筒香、2試合連続HR(横浜スタジアム)

全パ   5 = 000|030|110

全セ   5 = 021|000|200

(セ) 石田-岩貞-井納-秋吉-田島-山崎

(パ) 涌井-塚原-益田-牧田-西野-有原

本塁打 (パ)大谷ソロ、浅村2ラン

    (セ)筒香ソロ、丸ソロ

 

 第1戦を勝利した全セの先発は、2年目の石田健太(横浜DeNA)が任された。チーム最多の6勝をあげている石田は初球から18球までストレート勝負で打者に挑んだ。強気のピッチングで初回を無失点で切り抜けると、2回は大谷を見逃し三振に仕留めるなど、2回1安打無失点と好投した。

 

 2回裏には“横浜高校対決”が実現。第1戦MVPの筒香は、5学年上の先輩・涌井秀章(千葉ロッテ)が投げた初球を力いっぱい振り抜くと打球は一直線にライトスタンドに飛び込んだ。後輩の筒香に軍配が上がり、全セが1点を先制する。

 

 全セの攻撃はさらに続き、無死満塁から鈴木誠也(広島)の犠牲フライで1点を追加する。3回裏には丸佳浩(広島)が2死無走者からライトスタンド上段に届く特大ホームランを放ちリードを3点に広げた。

 

 このまま全セのペースで試合は進むかと思われたが、5回表に全パの打線に火が付いた。口火を切ったのは大谷だ。この回先頭の大谷は、井納翔一(DeNA)が投じた初球を思い切り振り抜き、左中間スタンドに運んだ。オールスター初本塁打を放った大谷は「狙っていました」と笑顔を見せた。大谷に続いて、浅村がライトスタンドに2ランを放ち、全パは同点に追いついた。

 

 7回表に大谷がレフト前ヒットで出塁してチャンスメイクをする。2死二塁と全パ勝ち越しのチャンスで代打・今宮健太(福岡ソフトバンク)は内野に打ち上げてしまう。しかし、高く舞い上がったボールに対し、捕球しにいく全セの内野陣は誰もおらず、ピッチャーの後方にポトリと落ちた。その間に二塁走者の大谷が悠々生還し、4-3と全パが逆転に成功した。

 

“やられたらやり返す”と言わんばかりに、全セがその裏に反撃する。1死二塁から代打・原口文仁(阪神)が有原航平(日本ハム)からレフトフェンス直撃の同点ツーベースヒットを放つ。育成選手から這い上がった原口の一打には、ベンチにいる阪神の金本知憲監督も手を叩いて喜んだ。続く、代打・大引がセンター前にヒットを放つと、二塁走者の原口は余裕でホームイン。全セが5-4と再びリードする。

 

 しかし、8回表に再び大谷が試合を動かした。2死一、二塁で打席に入った大谷は田島慎二(中日)のど真ん中ストレートをライトに弾き返した。これで大谷は猛打賞を記録。3安打2打点の活躍でMVPを獲得した。

 

 両軍譲らず5-5で迎えた最終回。全セの守護神・山崎康晃(DeNA)は決め球のツーシームを武器に無失点で切り抜ける。一方の全パは7回から登板の有原が9回もマウンドに上がり、三者凡退に抑えた。

 

 第2戦は決着こそつかなかったものの、筒香の2戦連発から始まり、丸の特大ホームラン、大谷の球宴初本塁打、浅村の2ラン、初出場・原口の初打席初安打など見どころの多い試合となった。福岡、横浜の地を沸かせた2016年のオールスターは全セの1勝1分けで幕を閉じた。