テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有は17日、本拠地でのオークランド・アスレチックス戦に先発し、7回3分の2、118球を投げて4安打1失点で6勝目(1敗)をあげた。ダルビッシュは立ち上がりに1点を失うも、すぐに修正し、2回以降は無失点。相手打線に連打を許さず、四球も2つと安定した投球をみせた。6勝は両リーグトップタイ。試合は4回にエイドリアン・ベルトレの2ランなどで逆転したレンジャーズが4−1で勝利した。
 心配したのは立ち上がりだけだった。
 初回、先頭のジェマイル・ウィークスにフルカウントからストレートをレフト線へ運ばれ、いきなり得点圏に走者を背負う。次打者の内野ゴロの間にランナーは3塁に進み、ジョシュ・レディックはセンターへの犠牲フライ。ダルビッシュはあっという間に1点を失う。

 だが、2回以降はすぐに立て直し、盤石のピッチングを展開した。変化球を増やし、要所要所で速球をみせるパターンで緩急をつけ、相手の打ち気をそらす。2回、3回と2個ずつ三振を奪ってエンジンがかかると、4回、5回は三者凡退で難なく切り抜けた。

 6回には先頭のウィークスをこの試合初の四球で歩かせたものの、続くコリン・カウギルにスライダーを打たせて注文通りのゲッツーに打ちとる。初回に犠牲フライを打たれているレディックにはアウトローへのストレートで空を切らせ、この回も3人で攻撃を終わらせた。

 7回も三者凡退で球数は101球。順調なペースで投げ続けたダルビッシュは8回に四球とヒットで2人の走者を背負ったところでマウンドをセットアッパーのマイク・アダムズに譲った。この日も7三振を積み上げ、今季の奪三振は計58。CC.サバシア(ヤンキース)、フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)、ジャスティン・バーランダー(タイガース)といったメジャーの一線級とトップ争いを演じている。

 次回は22日のシアトル・マリナーズ戦で先発予定だ。4月のデビュー登板以来となるイチロー、川崎宗則との再戦が期待される。特に3安打を許したイチローに対して、どんなピッチングを見せるのか。この1カ月で急速な適応をみせた右腕と、メジャー12年目を迎えたヒットマシンの勝負が楽しみだ。