テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が28日、本拠地でのトロント・ブルージェイズ戦に先発し、5回93球、7安打3失点で今季7勝目(2敗)をあげた。ダルビッシュにとっては日米通算100勝目。本来の投球には程遠く、腰の張りを訴えたため、早めの降板となったが、打線の大量援護に助けられ、再び両リーグのトップに勝ち星が並んだ。試合はレンジャーズが12−6で勝利した。
 節目の1勝は苦しい白星だった。
 30度を超える厳しい暑さのなかでのデーゲーム。この日のダルビッシュは初回の先頭打者にいきなりストレートの四球を与えるなど、毎回、走者を背負う内容だった。ただ、初回の2死二塁のピンチは、前回の対決でホームランを打たれているエドウィン・エンカーナシオンをサードゴロに仕留めて切り抜ける。

 2回も2死2塁の場面を0点に抑えると、直後に味方が打者一巡の猛攻で7点を先制。これが大きかった。ダルビッシュは3回に連打から内野ゴロの間に1点を失うと、4回はJ.P.アレンシビアにソロアーチを浴びる。5回も無死一、二塁からエンカーナシオンにタイムリーを許し、計3失点。その後の無死一、二塁のピンチはエリク・テムズを併殺打に打ち取って追加点は与えなかったが、なかなか調子は上向かなかった。

 試合後、ロン・ワシントン監督はダルビッシュが腰の張りを訴えたことを明かした。メジャー移籍後、最短の4回KOとなった22日のマリナーズ戦あたりから状態が優れなかったという。日本ではなかった中4日、中5日の登板が続き、長距離遠征もある。慣れない環境で疲れも出てくる時期だ。それでも最低限の仕事ができた点は本人にとって“良薬”となるに違いない。
 
 なお、試合は大量リードの8回途中から建山義紀が、アレクシ・オガンドが打球を受けたために緊急登板。前日は延長13回に勝ち越された直後のピンチで登板して、味方の逆転サヨナラ勝ちを呼び込み、今季初勝利をあげた。連投となった、この日も最初の打者を1球でアウトにすると、9回には2ランを打たれたものの、最後まで投げ切った。12試合連続で無失点を続ける上原浩治とともに、東海大仰星高の同級生コンビが地区首位を走るチームをしっかりと支えている。

<ブルージェイズ・五十嵐、戦力外に>

 トロント・ブルージェイズは現地時間27日付で、五十嵐亮太をメジャーの40人枠から外し、戦力外とすることを発表した。今後は他球団からのオファーを待つが、獲得希望がない場合は再びマイナーでプレーする。五十嵐は25日付で3Aからメジャーに昇格したばかり。2試合に登板しただけで非情の通告を受けた。

 今季の五十嵐はパイレーツとマイナー契約を結び、キャンプに参加。しかし、開幕メジャーを勝ちとれず、ブルージェイズに移籍した。ブルージェイズ傘下の3Aラスベガスでは開幕から好投を続け、1勝1敗4セーブ、防御率1.29とアピールして昇格のチャンスを得た。

 メジャー昇格直後の26日のレンジャーズ戦では、1−8とビハインドで迎えた6回に今季初登板。だが1回を投げ、4安打2失点と結果を残せなかった。翌27日の同カードでは味方が2点を勝ち越した延長13回にマウンドへ。先頭打者に四球を与えると、続く打者には二塁打を打たれて1死も奪えず、降板していた。この試合、ブルージェイズは五十嵐の乱調をきっかけに3点を失って逆転サヨナラ負けを喫し、首脳陣は他の投手との入れ替えを決断した。