タンパベイ・レイズとマイナー契約を結んでいた松井秀喜がメジャー昇格することが決まった。30日のシカゴ・ホワイトソックス戦からチームに合流する予定。今季の松井は所属チームのないまま開幕を迎え、ようやく4月末にレイズと契約。3Aのダーラムで13試合に出場し、調整を行っていた。松井にとってはメジャー10年目のシーズンが2カ月遅れで開幕する。
 マイナー契約から約1カ月、実績を買われての昇格だ。
 3Aでの成績は打率.170、0本塁打と決して芳しくない。しかし、過去9年でメジャー通算173本塁打を放っている強打者は現状のチームに必要な存在だった。

 レイズは現在、29勝20敗でア・リーグ東地区で同率首位を走る。だが、ケガ人が続出し、故障者リスト入りしている選手が10人を数える異常事態だ。特にブランドン・ガイヤーが左肩の手術で今季絶望。デスモンド・ジェニングスが左ヒザを痛めて戦線を離脱するなど外野の層も手薄になっている。加えて打率.329と好調だったエバン・ロンゴリアも左ハムストリングの肉離れで28日付で故障者リスト入りし、攻撃面でも苦しくなっていた。

 その点、外野を守れ、打力が見込める松井はチームにとってうってつけの選手だ。メジャー昇格後は指名打者を中心に先発出場が期待される。とはいえ故障者の代役の立場だけに、結果を残せなければ戦力外、マイナー降格と背中合わせであることは否定できない。再び東海岸に戻ってきたゴジラにとっては、これまで以上に1試合、1打席が勝負になる。