1日、「2012ロンドン五輪バレーボール世界最終予選」(男子)が開幕。日本はセルビアと対戦。序盤からサーブにミスが続いた日本は最後まで流れを引き寄せることができず、ストレート負けを喫した。

日本 0−3 セルビア
(19−25、23−25、16−25)
 大事な開幕戦の立ち上がり、日本とセルビアは両者一歩も譲らない激しい攻防戦を繰り広げた。日本はWS福澤達哉のサービスエースで1ポイント目を奪うと、続いてWS石島雄介が意表をついたフェイントで連続ポイントを奪った。さらにベテランのWS山本隆弘、MB松本慶彦と、多彩な攻撃で得点を重ねていった。しかし中盤、セルビアのサーブに苦戦し、連続ポイントを奪われ、4点差にまで広げられる。さらに、いいところでサービスミスが目立ち、日本は序盤のいいリズムを取り戻すことができない。終盤には故障明けのWS清水邦広を投入するも、その清水がブロックにつかまる。さらに、セルビアのセットポイントを迎えた場面では、清水のフェイントがラインを割り、日本はこのセットを落としてしまう。

 続く第2セット、日本はやはりサービスミスが目立ったものの、相手のミスにも助けられ、前半はわずかなリードを守る。しかし、18−16から山本がこのセット、チーム7本目となるサービスミスで1点差に迫られると、福澤のスパイクがセルビアの壁に阻まれ同点に。さらにセルビアの強烈なスパイクが決まり、このセット初めてリードを奪われた。ここから再び一進一退の攻防戦となるも、最後まで日本は逆転することができず、後がない状況となった。

 迎えた第3セット、崖っぷちに経たされた日本は、なんとか一矢報いようと、序盤は必死で食らいついていった。しかし、このセットもサービスミスでリズムに乗れない日本を尻目に、セルビアは中盤に4連続ポイントを奪い、リードを5点に広げた。これが最後まで大きく響いた。日本はベテランの山本がスパイク、ブロックと奮闘するも、逆転にまでは至らず、最後は2本連続で相手の速攻を決められ、ゲームセット。日本は初戦を白星で飾ることはできなかった。

 試合後、山本が開口一番、「これまでやってきたことが全く出せなかった試合内容だった」と語るほど、この試合で日本はいいところを見せることができないまま、後味の悪い試合となった。なかでも最大の敗因はサーブだった。日本はこの試合、20本ものサービスミスを犯し、みすみす相手にポイントを与えたのだ。

 故障明けで本調子ではない清水の分も、ポイントゲッターとして期待されている福澤は明日の試合に向けて次のように語った。
「まずは今日できなかった自分たちのバレーをコートで表現することが大事になる。そのうえで積極的に攻め続けて、相手に向かっていく姿勢を見せたい」

 第2戦の相手は攻撃的なバレーを展開するベネズエラだ。アジア枠のライバルとなる、豪州、中国、イランはいずれもストレート勝ちをし、白星スタートを切っている。それだけに、これ以上の遅れをとることは許されない。同じく開幕戦を落とした4年前は、第2戦から連勝街道を走り、4大会ぶりの五輪出場を決めた。果たして“龍神NIPPON”は、4年前の奇跡を再現することができるのか。早くもヤマ場を迎えた明日のベネズエラ戦に注目したい。