ボストン・レッドソックスの松坂大輔が10日、本拠地でのワシントン・ナショナルズ戦に先発し、昨年5月以来、約1年ぶりのメジャー登板を果たした。昨年6月に右ヒジ靭帯の手術を受け、リハビリとマイナーでの調整を経ての待ちに待った復帰。注目の内容は5回80球を投げて8奪三振ながら、ホームランを含む5安打を浴び、4失点だった。チームは2−4で敗れたため、松坂は敗戦投手となり、久々のマウンドを白星では飾れなかった。
 白星という最高の結果は得られなかったが、手ごたえは得られた登板ではなかったか。立ち上がりの初球から148キロのストレート。簡単に2球で追い込むと、チェンジアップで3球三振。これをきっかけに3番のライアン・ジマーマンからも三振を奪うなど初回を三者凡退で抑える。3回で5つの三振を奪うなど、ストレート、変化球にはキレがあった。

 一方で勝負どころの制球は、まだこれからだ。2回には先頭の4番アダム・ラローシュに初球が甘く入り、右中間へ一発を浴びる。4回には注目ルーキー、ブライス・ハーパーを四球で歩かせると、ジマーマンにヒットを許し、ピンチを招く。前の打席でホームランを打たれているラローシュは三振に仕留めたが、マイケル・モース、イアン・デスモンドに連打を浴び、一気に3点を失った。

 5回も先頭打者の二塁打で得点圏に走者を背負ったものの、ハーパーを見逃し三振に打ち取るなど後続は断った。5回4失点は結果だけみれば良くないが、このピッチングを継続できれば、おのずと勝利は見えてくるだろう。復帰から復活へ――。新しい松坂大輔の物語がここからスタートする。