テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が8日、敵地でのオークランド・アスレチックス戦に先発し、5回3分の1を投げ、110球、6安打6失点で今季4敗目(7勝)を喫した。この日のダルビッシュはメジャー移籍後ワーストとなる7四死球とコントロールが悪く、前回登板に続き、連敗となった。
 順調に勝ち星を伸ばしていたダルビッシュが6月に入って足踏みだ。アスレチックスとは約3週間ぶりの再戦。このときは8回途中まで投げて4安打1失点に抑えている。しかし、この日は初回に連打を浴びるなど、3安打で1点を失う。2回は三者凡退で立ち直ったかと思われたが、3回はココ・クリスプに内に甘く入ったボールをライトスタンドへ運ばれた。

 そして明らかにおかしくなったのは、1−2と味方が1点差に迫った直後の4回だ。明らかにボールが手につかず、1死から3連続四死球。すべての塁が埋まり、犠牲フライで1点を失うと、続くジェマイル・ウィークスにはストレートの四球。再び満塁となり、前の打席で一発を打たれているクリスプにストライクを取りにいったところを痛打された。走者一掃の三塁打で、この回4失点。計6失点は今季最も悪い結果だった。

 狂ったリズムは簡単には元へ戻せない。5回もゼロに抑えたものの、得点圏に走者を背負う危ない内容。続く6回、2つの四球でピンチを招いたところで、たまらずベンチはピッチャー交代を告げた。

 この日の数字を加え、今季の四球数は44とメジャーワースト。日本では考えられなかった不安定さに、米国のボールやマウンド、環境に対する適応に苦心が続く様子がうかがえる。チーム事情もあり、次の登板は少し間が空く見込み。それまでに微調整がどこまでできるか。次戦は勝負の夏場へ向けて、ひとつのポイントとなるマウンドとなりそうだ。

<青木、初の2発&サヨナラ弾>

 ミルウォーキー・ブルワーズの青木宣親は8日、本拠地のシカゴ・カブス戦に「1番・ライト」で先発出場。4回にライトへ今季第2号となるソロホームランを放つと、3−3の延長10回には、ライナーでスタンドに突き刺すサヨナラ弾。5打数3安打の活躍でチームの勝利に大きく貢献した。

 本人も驚く結果だ。4回はカブス先発のマット・ガーザの速球をとらえ、フェンスオーバー。4月に放った第1号はランニングホームランだったため、これが正真正銘の一発だった。

 そして延長10回は先頭打者で、2ボールからストレートが甘いコースへ入ってきたのを見逃さなかった。日本からのやってきた小柄な男がみせたパワーにホームのファンは大興奮。青木もヘルメットを飛ばして、喜びを表現した。

 もちろん、自らの持ち味である俊足も光った。1点を追う8回にはセカンドへの内野安打で出塁。4番コリー・ハートのタイムリーで同点に追いつく足がかりをつくった。これで2試合連続の猛打賞。5月下旬からはスタメンの機会が増え、打率は3割に乗った。開幕時は外野の控えだった背番号7が、借金返済を目指すチームでレギュラーになりかけている。