テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が16日、本拠地でのヒューストン・アストロズ戦に先発し、8回を投げて110球、7安打2失点で、約3週間ぶりの勝利(8勝目)をあげた。メジャーリーグ移籍後、初の中7日を空けての登板は好内容。2四球と安定した制球で結果を残した。レンジャーズは6−2で勝利した。
 自身無敗のホームスタジアムで、休養十分の右腕が本来の輝きを取り戻した。ここ2回の登板ではいずれもコントロールに苦しみ、連敗。調整のため、登板間隔を空けたベンチの期待に応えた。

 この日はストレート、スライダーがしっかりコースに決まった。そして緩いカーブを使い、緩急もつけた。初回、2回と走者を背負うものの、後続を変化球で打ち取り、得点を与えない。3回には先頭打者の四球から3番・ジェド・ローリーにタイムリーを浴びるが、主砲のJ.D.マルティネスに外角低めのボールを打たせてダブルプレーに仕留めた。

 4回にも先頭打者にヒットで出塁を許しながら、続くクリス・ジョンソンをインコースの直球で詰まらせてゲッツー。5回はこの試合初めて三者凡退で切り抜けると、あと1本が出なかった味方打線がつながる。その裏、レンジャーズは相手のエラーにつけ込み、5連打で一挙5点を奪って逆転。これでダルビッシュにも余裕ができた。

 6回はローリー、マルチネス、ブレッド・ウォーレスのクリーンアップにいずれもスライダーを振らせ、3者連続三振。7回にはジャスティン・マクスウェルに一発を浴びるも、2つの三振を奪う。そして圧巻だったのは投球数が100に近づいた8回だ。まず先頭のジョーダン・シェーファーをアウトハイのストレートで空振り三振。続くローリーを3球三振に仕留めると、マルティネスもフルカウントからアウトローのストレートで見逃し三振に切ってとる。鮮やかな奪三振ショーにホームの観客は酔いしれた。

 これで、この日のマウンドを締めくくったダルビッシュは今季最多の11奪三振。勝ち星も再びリーグトップタイに並んだ。ロイ・ワシントン監督は7月1日に発表されるオールスターゲーム(7月10日)のメンバーに監督推薦での選出を示唆していたが、夢の球宴にも大きく前進する1勝となった。

<松坂、6回3失点も2敗目>

 ボストン・レッドソックスの松坂大輔は同日、敵地でのシカゴ・カブス戦に先発し、6回93球を投げて、4安打3失点で2敗目(0勝)を喫した。復帰後2度目の登板となった松坂だが、立ち上がりに制球を乱し、2点を失う。続く2回にも相手ピッチャーに3塁打を許して1失点。3回以降は立ち直って、わずかヒット1本に封じたが、打線の援護がなく7回に打席が巡ってきたところで代打を出されて降板した。試合は0−3でレッドソックスは零封負けした。