現地時間14日、陸上の女子マラソンはジェミマ・スムゴング(ケニア)が2時間24分4秒で優勝した。スムゴングはこの種目初のケニア勢での金メダリストとなった。2位にユニス・ジェプキルイ・キルワ(バーレーン)が9秒差、3位にはマレ・ディババ(エチオピア)が26秒差で入った。日本勢トップは福士加代子(ワコール)が2時間29分53秒で14位。田中智美(第一生命)は2時間31分12秒で19位、伊藤舞(大塚製薬)は2時間37分37秒で46位だった。

 

 36キロ過ぎでケニア出身のキルワが仕掛ける。先頭集団から3人が飛び出し、優勝争いは絞られた。ここからが勝負――。本当の仕掛けどころで日本勢の姿は入賞圏内にすらいなかった。

 

 女子マラソンは157人がエントリー。リオのカーニバルでお馴染みのサンボドロモを発着点にしてスタートした。入りの1キロは3分28秒というスローペース。福士、田中、伊藤も大きな先頭集団の中に位置し、レースを展開した。

 

 給水ポイントが近付く度にペースのアップダウンが繰り返され、集団から1人2人と選手が脱落していく。10キロを過ぎたあたりで先頭グループの中心はアフリカ勢。日本勢は第2集団となった。

 

 12.4キロあたりで福士、14.7キロあたりで田中が先頭集団に一度は追いついた。だが20キロを過ぎ、中間点を過ぎると日本勢は優勝争いから脱落してしまう。上位のアフリカ勢にアメリカ、ベラルーシ勢が食らいついていった。

 

 欧米勢の健闘も目立ったが、36キロを過ぎて三つ巴の争いとなる。キルワ、スムゴング、ディババだ。昨年の世界選手権で上位を争った実力者たちが、五輪でも金メダルを争った。40キロで世界選手権女王のディババが離されると、一騎打ちの様相を呈す。

 

 最後は世界選手権4位のスムゴングが同3位のキルワを突き放す。“ケニア”対決を制したスムゴングが2時間24分4秒でフィニッシュ。母国に女子マラソン初の金メダルをもたらした。

 

 日本勢は福士がトップから5分以上を離されてゴール。田中も伊藤も勝負にならなかった。13年の世界選手権では福士が銅メダル、昨年は伊藤が7位入賞と世界へと近づけたかたと思えたが、その力の差を改めて見せつけられたかたちとなった。

 

【日本勢レース後のコメント】

福士「金メダルを目指していたから最後まで頑張れました。こんなに頑張った自分はない」

田中「悔しい気持ちでいっぱいだけど、最高の42.195キロでした」

伊藤「持ち味の粘り強さを生かすことができませんでした」

 

(文/杉浦泰介)