テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有が21日、敵地でのサンディエゴ・パドレス戦に先発し、メジャー移籍後最多の122球を投げて、8回5安打2失点で、ア・リーグトップタイの9勝目(4敗)をあげた。ナ・リーグ本拠地での交流戦のため、打席にも立ったダルビッシュは第1打席にライト前ヒットを放ち、メジャー初打席初安打も記録。レンジャーズは4−2で逆転勝利を収め、連勝を6に伸ばした。
 休養をとって復調をみせた前回登板から中4日、連敗中のビジターゲームでも、好調ぶりは変わらなかった。ダルビッシュにとって、パドレスの本拠地ペトコ・パークは2009年のWBCで経験済のマウンド。立ち上がりこそ制球を乱したが、徐々に立ち直り、終わってみれば8回まで投げ切った。

 初回、2つの四球を与え、2死一、二塁のピンチを招く。しかし、4番チェース・ヘドリーの鋭い打球はセカンド正面へのライナー。思わず飛び出してしまった二塁ランナーが戻れず、ダブルプレーとなり、何とか0点で切り抜ける。

 2回は2本のヒットで2死二、三塁と走者を背負うと、9番・ピッチャーのアンソニー・バスへ投じたストレートが高めに浮いた。振り遅れながらもバットに当たった打球は一塁線を抜け、2者が生還。ここまでのダルビッシュは勝負どころでのコントロールが悪く、先制点を許す。

 しかし、3回は上位打線を三者凡退に仕留めると、尻上がりに調子を上げた。4回には四球と内野安打で再びピンチを迎えるも、アレクシ・アマリスタを追い込んでから威力のあるストレートで空振り三振。続くピッチャーのバスにも凡打を打たせて切り抜けた。

 すると眠っていた打線がようやく右腕を援護する。5回に1点を返すと、パドレス先発のバスが肩を痛めて急遽、降板したのに乗じ、6回には3点をあげて逆転に成功する。ダルビッシュも5回、6回と3人ずつで相手の攻撃を終わらせ、リズムに乗った。

 100球を超えた7回は1死からヒットを許しながら、代打のカルロス・クエンティンに注文通り内野ゴロを打たせてダブルプレー。8回には先頭のウィル・ベナブル、キャメロン・メイビンをいずれもキレのあるスライダーでバットに空を切らせた。結局、5回以降は4イニング連続で3人ずつで切って取る省エネ投球。直接、抑えのジョー・ネーサンにつなぐ理想のかたちで9勝目を手中にした。

 次戦は中5日で27日のタイガース戦に先発が予定されている。早くも6月中に2ケタ勝利を達成する可能性が現実味を帯びてきた。