交流戦が幕を閉じ、22日からはリーグ戦が再開される。最大の注目は、やはり交流戦でセ・リーグ初の優勝を果たした巨人だろう。交流戦スタート時にはようやく借金を返済し、勝率5割で4位だった巨人だが、交流戦では7連勝を含む17勝7敗で貯金10を稼ぎ、現在は首位・中日とわずか1ゲーム差の2位に浮上した。優勝候補の筆頭と見られながら開幕ダッシュに失敗した巨人だが、交流戦ではまさに飛ぶ鳥落とす勢いで白星を積み上げた。果たして、その勢いはリーグ戦でも続くのか。
 交流戦でのチーム浮上の要因として、まず挙げられるのは、やはり先発投手の安定感だ。交流戦では無傷の4連勝でMVPに輝いた内海哲也、ノーヒットノーランを含め、内海とともにトップタイの4勝(1敗)を挙げた杉内俊哉、そしてホールトンも3勝(2敗)を挙げた。また、山口鉄也、西村健太朗らリリーフ陣も安定したピッチングを見せ、2年目の澤村拓一が自身4連敗と不調に陥ったが、それを十分にカバーするだけの余力があった。12球団トップのチーム防御率2.29がそれを物語っている。

 そして、打線が本領を発揮したことも大きい。開幕直後は貧打に苦しんだ巨人打線だが、交流戦ではチーム打率2割6分9厘、22本塁打、94得点を叩き出した。3番・坂本勇人、4番・村田修一、5番・阿部慎之助のクリーンアップが機能していることが打線に勢いをもたらしている。特に坂本と村田は好調だ。坂本はチームトップの打率3割1分6厘、17打点。村田も坂本に次いで打率3割1分1厘をマークした。

 投打がかみ合っている巨人だが、セ・リーグの球団に対しても、その勢いを持続できるかが注目される。「交流戦とリーグ戦は別もの」という意見もあるが、もともと開幕前の下馬評ではダントツの優勝候補だったチームだけに、交流戦をきっかけに本領を発揮し始めたとすれば、リーグ戦に戻っても勢いは続くだろう。

 ただ、懸念材料がないわけではない。厳しい日程が続くペナントレースでは投手のコマ不足は最たる問題である。交流戦で1勝4敗、防御率4.80と一人沈んだ澤村の復活、さらには5番手として有望視されるゴンザレスのピッチングの出来がポイントとなりそうだ。

 21日からは交流戦で最下位に沈んだ東京ヤクルトと対戦する巨人。交流戦前は2勝5敗1分けと最も苦手としていた相手だけに、交流戦での勢いをもって勝ち越すことができれば、さらにチームの士気は上がるはずだ。クライマックスシリーズ進出を狙うにも、3位のヤクルトとの差を早めに広げておきたい。果たして、交流戦での巨人の勢いはホンモノなのか。