10日(日本時間11日)にカウフマンスタジアム(カンザスシティ)で開催されるメジャーリーグのオールスターゲームに出場するア・リーグ、ナ・リーグの各33選手が発表された。2ケタ勝利をあげ、監督推薦での選出が有力視されていたダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)はメンバーに選ばれず、最後の1枠をファン投票で決める候補者5名のひとりに入った。投票は既にスタートしており、結果は5日(同6日)に発表される。またシアトル・マリナーズのイチローはファン投票でア・リーグ外野手部門の10位に終わり、選手間投票などによる選出からも漏れて2年連続で出場を逃した。
 ア・リーグを指揮するレンジャーズのロン・ワシントン監督にとっては悩んだ末の決断だったはずだ。メジャー1年目ながら既に10勝をマークし、首位を走るチームに不可欠な右腕を監督推薦のメンバーから外した。その大きな理由はチーム事情にある。ア・リーグで50勝に一番乗りし、西地区で独走体勢を築きつつあるレンジャースはファン投票でジョシュ・ハミルトン、マイク・ナポリ、エイドリアン・べルトレの3選手が選出。選手間投票、監督推薦で選ばれた野手のエルビス・アンドラス、イアン・キンスラー、投手のマット・ハリソン、ジョー・ネイサンも含めると最多の7名が出場選手に入った。

 ワシントン監督にしてみれば、球団間のバランスを考慮すると、自分たちのチームから多くの選手を選ぶわけにもいかない。そう考えると、投手陣では勝ち頭(11勝)のハリソンと、抑えのネイサンをメンバーに入れるのがギリギリの選択だった。またダルビッシュはオールスターについて「ふさわしくない」との発言を繰り返しており、選考にあたって出場に消極的とみなされた可能性もある。

 最後の1人を争うのはいずれも投手で、ジョナサン・ブロクストン(カンザスシティ・ロイヤルズ)、エルネスト・フリエリ(ロサンゼルス・エンゼルス)、ヘンドリック・ハメル(ボルチモア・オリオールズ)、ジェイク・ピービ(シカゴ・ホワイトソックス)。過去には同枠で2004年に松井秀喜(当時ニューヨーク・ヤンキース、現タンパベイ・レイズ)、07年に岡島秀樹(ボストン・レッドソックス、現福岡ソフトバンク)の2人がノミネートされたことがあり、いずれも投票の結果、メンバー入りを果たしている。

 なお、ダルビッシュは2日、本拠地でのオークランド・アスレチックス戦に先発し、7回を投げて今季最多の11三振を奪いながら、5安打3失点で5敗目(10勝)を喫した。4回まで相手打線を1安打に封じてきたダルビッシュだったが、5回に連打で1点を失うと、6回には自らのワイルドピッチで勝ち越し点を献上。続く7回は手痛いソロアーチを浴びて3イニング連続で失点した。ダルビッシュにとっては本拠地8試合目の登板で初黒星。試合は1−3で敗れた。