ボブ・サップが1年ぶりにK-1のリングに戻ってくる。
 6月23日(現地時間)、オランダ・アムステルダムアリーナで開催される「K−1 WORLD GP 2007 in AMSTERDAM」の会見が18日、都内ホテルで行われ、1年前、契約をめぐるトラブルで試合を直前に放棄するという前代未聞の騒動を起こしたボブ・サップ(チーム・ビースト)と、ピーター・アーツ(チーム・アーツ)との対戦が発表された。谷川貞治K-1イベントプロデューサーとともにサップも会見に出席、心境を語った。
(写真:握手を交わす谷川プロデューサー(左)と1年ぶりにK-1のリングに復帰するサップ)
 谷川プロデューサーが語っていた「オランダで起きたことは、オランダで決着をつける」との言葉どおり、サップが、“ドタキャン”騒動を起こしたオランダの地で復帰戦に挑むことになった。
 ちょうど1年前、同じ場所で行われたK-1 GPシリーズのメーンでアーネスト・ホーストと戦う予定だったボブ・サップが、契約上のトラブルを理由に開始30分前になって試合を放棄、テレビ解説で来場していたアーツが、急きょホーストと試合を行うという、前代未聞の騒動が起きた。
 その後、K-1サイドとサップは双方の弁護士を通じて話し合いを続けていたが、今回、K-1とサップの和解が成立し、「K−1 WORLD GP 2007 in AMSTERDAM」のスーパーファイトとしてサップ対アーツの試合が行われることが発表された。

 緊急来日したサップは、会見に姿を現すと谷川イベントプロデューサーとがっちりと握手。1年ぶりにサップと再会したという谷川プロデューサーは「ボブとこうしてまた一緒に仕事ができることを心から嬉しく思う。この1年、和解に向けて動いてきた。今はお互いに何のわだかまりもない。(契約違反での)訴えも取り下げる」と語り、両者の完全和解を強調した。和解にいたった大きな理由としては「最終的に条件が合意にいたった」(谷川プロデューサー)と説明。さらに「ボブとの契約は存続しているが、他団体のリングに上がりたいなら、K-1としても応援したい」と柔軟な姿勢を見せた。和解にいたった条件の内容や契約期間など、詳細については明かされなかった。

 サップは、「オランダのファン、迷惑をかけたフジテレビや日本のファンのみなさんにお詫びを申し上げたい」と謝罪の言葉を述べた上で、「K-1と誤解が生じたと思っている。今回、その誤解が解けてまたリングに戻ってこられたことを嬉しく思う。今まで以上にエキサイティングな試合をしたい」と意気込みを語った。
(写真:帰ってきた“野獣”が肉体を披露。復帰戦に意欲を見せる)

  この1年やってきたことについてサップは、ハリウッド俳優として映画に数本出演、また獣医になるための勉強につとめる一方で、ジョシュ・バーネットらとともに、「いつでも試合に出られるように」トレーニングも継続してきたと説明した。実戦のリングは05年大みそか「Dynamite!!」での武蔵(正道会館)戦以来となるだけに、ブランクが心配されるが、サップ自身は「1年間試合をしなかった分、逆に良い休養が取れた」とプラス面を強調。今後について質問を受けると「将来的には、チェ・ホンマン、マイティ・モーとの再戦、セーム・シュルトと試合をして、自分の成長ぶりを見せたい。あくまでもK-1のリングをメインに、K-1とともに今後も頑張っていきたい」と笑顔で語った。

 サップのGP参戦については「オランダ大会でのアーツ戦が終わってから考える」と谷川プロデューサー。1年ぶりにリングに立つ“野獣”サップがどのような戦いを見せるのか注目だ。


「K−1 WORLD GP 2007 in AMSTERDAM
6月23日(現地時間) オランダ・アムステルダムアリーナ


■決定対戦カード
<スーパーファイト>
ピーター・アーツ(オランダ/チーム・アーツ)×ボブ・サップ(アメリカ/チーム・ビースト)

■対戦カード
<スーパーヘビー級タイトルマッチ>
王者セーム・シュルト(オランダ/正道会館)×挑戦者マイティ・モー(米国/フリー)

<スーパーファイト>
ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー)×メルヴイン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
澤屋敷純一(日本/チームドラゴン)×ニコラ・ヴェルモン(フランス/ファウコンジム)

<スペシャルファイト>
HIROYA(日本/フリー) ※対戦相手未定 

<K−1 ヨーロッパGP2007トーナメン> ※1回戦
ビヨン・ブレギー(スイス/前年度ヨーロッパ王者)×ブレクト・ウォリス(ベルギー/ルーマニア大会王者)
マゴメド・マゴメドフ(ベラルーシ/チェコ大会王者)×マキシム・ネレドバ(ウクライナ/ハンガリー大会王者)
ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/前年オセアニア大会王者)×天田ヒロミ(日本/推薦)
ジェームス・フィリップス(ドイツ・クロアチア大会王者)×ザビット・サメドフ(ベラルーシ/リアアニア大会王者)