ボクシング元アマ全日本チャンピオン・岡田隆志、28日にプロデビュー戦

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 6月28日、後楽園ホールで行われるビータイトプロモーション主催のボクシング興行「DANGAN�」で、プロデビューする岡田隆志(ライトフライ級・MTボクシングジム)。
 アマチュア戦績は68戦53勝(28KO・RSC)15敗。駒大4年時の05年、アマチュアボクシングの全日本選手権フライ級を制するも、卒業後は、輸入インテリアの会社に就職、インテリアコーディネーターを目指していた。
 その後、プロボクサーとして活躍する友人の試合を観て感動し、ボクシングへの情熱が再燃。M.T.ボクシングジムに入門し、プロとしての道を歩み始めた。
 男ばかり4人兄弟の末っ子として、岡山県で生まれ育った。その経歴は少し異色だ。
 幼稚園のころから小学校までの習い事は、ピアノ。小学校では土日にサッカーも習っていたが、中学時代は帰宅部。兄たちは野球、ラグビーなどスポーツに打ち込んでいたものの、岡田は、高校に入学してボクシング部に入るまで、本格的なスポーツとは無縁の生活を送っていた。
 ボクシング部に入ったのも「個人競技がやりたかったのと、格闘技にはちょっと興味があった」という理由で、特別な思い入れがあったわけではなかった。
「基礎練習が中心だった」という高校時代は、3年のときにインターハイ8位。ボクシング推薦で駒大に進学し、2年の時からリーグ戦に出場。駒大ボクシング部は、今年、大学二部リーグで久しぶりの優勝を果たしたが、それまでの数年間は二部で上位には食い込むものの、2〜3位の成績が常だった。
 岡田は4年時には個人戦で地元の岡山国体3位、そして大学最後の試合となった全日本選手権では優勝(ともにフライ級)、初の全国タイトルを手にした。駒大として初の全日本チャンピオンの誕生だった。
 卒業前には、当然、プロへの誘いもあった。だが本人は、ボクシングを続ける気は全くなかっという。
「全日本選手権は、最後だから頑張れたんです。目標を達成して、満足していた。やりたい仕事もあったから、そっちで1から頑張ろうと思っていました。ボクシングへの未練は全くなかったです」   
 現在、岡田を指導する駒大の先輩にもあたるM.T.ボクシングジムの村野健マネージャーは、次のように振り返る。
「大手のジムからも声がかかっていました。ウチでやってほしいとも思っていましたが、本人に全くやる気がなかったのであきらめていました」

 大学卒業後、岡田は希望どおり、イギリスの輸入インテリアの会社に就職した。
「好きな仕事だったし、充実もしていた。インテリアの勉強も頑張ろう、とやる気になっていました」
 スポーツから全く離れた生活を送っていた岡田に転機が訪れたのは、社会人1年目の12月だった。
 たまたま仕事が休みになり、M.T.ボクシングジムでプロボクサーとして活躍する高校時代からのボクシング仲間の試合を観るため、後楽園ホールに足を運んだ。その試合に感動し、ボクシングへの情熱が再燃。「またコイツと頑張りたい!」と、プロボクサーになることを決意した。
「誘われたわけでは全然なかった。それまで、ずっと流れで生きてきた自分が、初めて自分の意思で決めました。仕事も好きだったし、会社の人に伝えるのがつらかったですね。でもそのまま行って『やっておけばよかった』と後悔するのは嫌だった。人生、一度きりですから。
 今は家族も応援してくれていますけど、会社を辞めることが決まってから伝えたので、やっぱり驚いていましたね。やっと四男坊も社会に出て安心していたと思うのに、ちょっと刺激を与えちゃいました(笑)」

 現在、岡田は衣料品店で準社員として働きながら、駒大OBも多く在籍する橋本駅近くのM.T.ボクシングジムでトレーニングに励む日々を送る。
 年明け、ジムに通い始めた頃は、1年近いブランクに、筋肉はすっかり落ちてしまっていたという。それでも本人は「練習を始めて、きついというより嬉しかった。アマとプロは違う。プロとして1から始めるには、良いブランクだったと思う」と前向きに捉えていた。
 トレーニングを再開後、わずか2カ月足らずで元東洋太平洋ミニマム級王者の八重樫東(大橋ジム)、WBC世界ミニマム級チャンピオンのイーグル京和(角海老ジム)といったトップレベルのボクサーとのスパーリングもこなし、実戦の場も経験してきた。
 村野マネージャーは「スパーリングを見ていると、追い込んでも、ゴングが鳴る瞬間までさらにめいっぱい攻めることができるのが彼の良さですね。連打型ですがパンチも強いですよ」と期待を寄せる。

 デビュー戦への意気込みを訊くと、岡田は待ちきれないといった様子で語った。
「やっと、ですね(笑)。早く試合を経験したいですね。気負わず、楽しくやりたい。楽しくできれば、結果はついてくると思う。殴られたら、楽しくないですから(笑)」
 6月28日、対戦相手はタイのキャツティサクソルブロンチャイ。スピードのある連打を武器に、プロプロボクサーとしての一歩を踏み出す。

岡田隆志(おかだ・たかし)プロフィール
1984年2月15日、岡山県生まれ。アマ戦績68戦53勝(28KO・RSC)15敗。162センチ。
05年岡山国体3位、同年全日本選手権フライ級優勝。M.T.ボクシングジム在籍。

★M.T.ボクシングジム公式サイト★
http://www2.ocn.ne.jp/~mtboxing/

DANGAN�
6月28日(木)18時試合開始
<6R>
岡田隆志(MT)×キャツティサクソルブロンチャイ(タイ)
ほか
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