ボクシングのダブル世界タイトルマッチが31日、東京・大田区総合体育館で行われ、WBAライトフライ級は王者の田口良一(ワタナベ)が同級1位の宮崎亮(井岡)に判定勝ちを収めた。田口は4度目の防衛に成功。WBAスーパーフライ級王座統一戦では正規王者の河野公平(ワタナベ)が暫定王者のルイス・コンセプシオン(パナマ)に判定負け。河野は4度目の王座防衛に失敗した。

 

 リングサイドで見守る尊敬する先輩の目の前で、田口は勝者としてインタビューを受けた。KO防衛とはらなかったが、王者の風格を漂わせつつある。

 

 2014年大晦日に掴み取ったWBAライトフライ級のベルト。田口はその後3連続KO防衛を果たして、王座を守り続けていた。田口初のメインイベントで迎える試合の相手は、WBAミニマム級元王者・宮崎だ。2階級制覇を目指す挑戦者と拳を交えた。

 

 序盤からペースを握ったのは田口。得意の左を軸に宮崎をほぼ寄せ付けなかった。12ラウンドでダウンこそ奪えなかったが、田口の勝利は明らかだった。3人のジャッジは116-112、117-111、119-109をつけ、3-0の完勝。田口は自らの拳でベルトを守り抜いてみせた。

 

 一方、WBAスーパーフライ級王者の河野はパナマから来た“もうひとりのチャンピオン”に王座を奪われた。3年前にも統一戦を行い敗れた大田区総合体育館。河野は4度目の防衛を狙ったが、またしてもベルトはその手から離れていった。

 

 強打で鳴るコンセプシオンに河野は序盤から押された。2回にはロープ際に追い込まれ、パンチを打たれた。その後は打ち合いの様相を呈したが、両者ともにダウンは奪えず決定打はなかった。熱戦の終止符はKO決着とはならず、12ラウンド終了後のゴングを聞いた。113-115が1人、112-116が2人と大きな差はついていないが、3人全員がコンセプシオンを支持した。0-3で敗れた河野は14年3月より、約2年半保持していたベルトを失った。

 

(文/杉浦泰介)