メジャーリーグ機構は現地時間5日、カウフマンスタジアム(カンザスシティ)で10日(日本時間11日)に開催されるオールスターゲームに出場する両リーグの最終メンバーを決定するファン投票の結果を発表し、ア・リーグではダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)が約730万票を集め、最後の1人に選出された。日本人選手がオールスターに出場するのは2年ぶり9人目で、投手では2007年の斎藤隆(当時ロサンゼルス・ドジャース)、岡島秀樹(当時ボストン・レッドソックス)に続き、5年ぶり6人目。ただし先発投手に限れば、95年に日本人で初めてオールスターに出た野茂英雄(当時ドジャース)に以来、2人目となる。
 今季のダルビッシュは開幕からローテーションを守り、6月末には早くも2ケタ勝利に到達。現在、10勝(リーグ3位)5敗、防御率3.59、117奪三振(リーグ3位)の成績でレンジャーズが地区首位を快走する原動力となっている。

 今回のオールスターでア・リーグを指揮するロン・ワシントン監督(レンジャーズ)は当初、ダルビッシュを監督推薦で選ぶ考えだったが、ファン投票でジョシュ・ハミルトンら3選手がメンバー入りするなど、チーム内で最多の7名が選出された事情を踏まえ、1日付で発表された出場選手リストには入れなかった。

 だが、最後の1枠を決めるファン投票の候補者選手にノミネートされると、ワシントン監督はじめ、球団が一丸となり、球場やインターネットを通じてダルビッシュへの投票を呼びかけ。これが功を奏し、サイ・ヤング賞の実績もあるジェーク・ピービ(シカゴ・ホワイトソックス)らを押さえてトップの得票を得た。

 既にダルビッシュはオールスター前の登板を免除されており、休養十分で夢の舞台に臨める。メジャーリーグの球宴では登板間隔を考慮してメンバーに選ばれても試合には出ないケースがあるが、鳴り物入りで海を渡った背番号11がナ・リーグのスターたちと対決する可能性は極めて高そうだ。