6日、ロシアW杯アジア最終予選の第2節が各地で行われた。グループBの日本代表(FIFAランキング49位)はタイ代表(同120位)とバンコクで対戦し、2対0で勝利を収めた。日本は前半18分にFW原口元気のヘディングで先制した。後半30分にはFW浅野拓磨が追加点を奪い、リードを広げた。日本はタイに反撃を許さず、このままのスコアで試合終了。次節、日本は10月6日に埼玉スタジアムでイラク代表(同113位)と対戦する。

 

 指揮官の采配が的中(バンコク)

日本代表 2―0 タイ代表

【得点】

[日] 原口元気(18分)、浅野拓磨(75分)

 

 ホームでの初戦を落としたヴァイッド・ハリルホジッチ監督。先発3人を入れ替え、MF山口蛍、FW原口元気、浅野をスタートからピッチに送り出した。

 

 前半18分、右サイドでボール受けたDF酒井宏樹がダイレクトでセンタリングを上げる。「逆サイドから(クロスが)上がる時はFWの裏に入ること」を意識していた原口が、このボールにヘディングで合わせて、ゴール左に決めた。良い時間帯に先制点を奪えたのは第1戦と同じだ。得点後いかにゲームをコントロールできるかがポイントだった。

 

 先制した後の日本はほとんど相手陣内で試合を進めた。タイのシュートを0本に抑えて前半を終えた。

 

 追加点を狙う日本は後半17分、山口がサイドチェンジ。右サイドに開いている酒井宏にパスを送った。酒井宏がヘディングで折り返すと、ゴール前に詰めていたFW本田圭佑がワントラップして右足でシュートを放つも、相手GKに阻まれた。

 

 30分、ついに待望の追加点が生まれる。同点ゴールを狙うタイの高くなったDFラインの裏にMF長谷部誠が浮き球のパスを落とす。このボールに自慢の快足を飛ばして追いついたのが浅野だ。浅野は瞬時に「長谷部さんが良いボールを出してくれた。ボールに触れば何とかなる」と判断したという。イメージ通りヘディングでワントラップ後に右足を一閃。相手GKの手を弾いたボールはゴールネットを揺らした。

 

 追加点を奪った後は、運動量の落ちた前線の選手を入れ替えて前からプレスをかける。危なげない試合運びでタイムアップのホイッスルを迎えた。

 

 試合後、ハリルホジッチ監督は「1試合目の後のプレッシャーから脱しないといけない状態でした。勝利したことは良かった」と胸を撫で下ろした。先発に起用した原口と浅野がゴールを決め、山口は守備での貢献が光った。指揮官の策が見事にハマったかたちだ。

 

 先制点の原口は「ホッとしています。ホームで負けたので、勝ち点3だけを求めていた。自分はサイドに開いた時に良さがでる。今日は幅を取ってサイドから良い攻撃ができた」と語った。一方の浅野は、持ち味のスピードを生かし、貴重な追加点を叩き込んだ。22歳の若きストライカーは「もっと早くゴールを決めていれば、試合が決まっていた」と反省も忘れなかった。

 

 この勝利で1勝1敗とした日本。次節は1カ月後、ホームでのイラク戦だ。イラクはここまでの最終予選を連敗し、勝ち点ゼロの暫定最下位である。確実に叩いてロシア行きの切符をつかむための足掛かりにしたい。

 

(文/大木雄貴)