
(写真:「言い訳に聞こえる」という記者の意見に反論するハリルホジッチ監督)
29日、日本サッカー協会は2018FIFAワールドカップロシア アジア最終予選のメンバーを発表した。MF香川真司(ドルトムント)、FW本田圭佑(ACミラン)、FW岡崎慎司(レスター・シティー)らが順当に選ばれたほか、MF永木亮太(鹿島アントラーズ)が初選出となった。ブンデスリーガで2試合連続ゴール中のFW大迫勇也(ケルン)やJリーグで好調を維持しているFW長沢駿(ガンバ大阪)は選外となった。6日にイラク代表戦(埼玉)、11日にオーストラリア代表戦(メルボルン)が行われる。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「イラク、オーストラリアはともにクオリティーの高いチーム。イラクはアジア杯では準決勝まで進んでいる。オーストラリアはアジア杯でチャンピオンだ。特にオーストラリアは今シーズンでもっとも難しい試合となる」と対戦国を評価した。
日本が準々決勝で涙をのんだアジア杯で好成績を残したイラクだが、アジア最終予選では2戦2敗と不調に陥っている。イラクが復調する前にホームで確実に叩き、アジア最強の敵であるオーストラリア戦へと弾みをつけたい。
アウェーで行われるオーストラリア戦に向けて、ニューフェイスが中盤に加わった。鹿島所属のボランチ・永木である。指揮官は「長い間追跡していた選手。良い存在感を出している。オーストラリア戦で必要になるかなと思う。しっかりボールを奪う選手。A代表にどのように働きかけるか見てみたい」と永木評を語った。フィジカルに長けるオーストラリアを相手に、球際が激しく、運動量が豊富な永木の活躍に注目だ。
中盤には新たな顔ぶれが入った一方で、FW陣はいつもの顔ぶれとなった。したがって、ドイツブンデスリーガで2戦連発中の大迫の1年4カ月ぶりの代表復帰は叶わなかった。
ハリルホジッチ監督は大迫を選外とした理由について「15日前に海外クラブにはリストを送っている。リストを送ったあとに大迫は得点を取り出した」と語った後に、こうエールを送った。
「ここ3試合で先発を勝ち取り、2ゴールを決めた。大迫のことはもちろん分析している。数カ月間、先発で試合に出られなかった時期がある。もし出場したとしても(FWではなく)中盤で起用されていた。ようやく今、アタッカーとしてポジションを確立している。一年経ってようやく2点を取りました。このように今後も続けて欲しい」
ハリルホジッチ監督の言い分も理解できるが、1つだけ苦言を呈したい。海外にスタッフを派遣し、分析をしているのであれば、2週間前から大迫が好調であったことはわからなかったのだろうか。
もうひとり、好調を維持している選手がいる。ガンバ大阪所属の192センチの長身FWの長沢である。指揮官自ら長沢について「この選手も面白い。浅野、岡崎、武藤と違うフィジカルをもっている」と言及したあとに、「1点、2点取ったからといってA代表にすぐ呼べるわけではない」と述べた。
好調だった大迫と長沢の所属チームでの奮起に期待しつつ、「私が決めた」(ハリルホジッチ監督)”いつもの”前線のメンバーに勝利を期待したい。
【日本代表メンバー】
GK
川島永嗣(FCメス)
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
DF
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
太田宏介(フィテッセ)
吉田麻也(サウサンプトン)
丸山祐市(FC東京)
酒井宏樹(マルセイユ)
酒井高徳(ハンブルガーSV)
植田直通(鹿島アントラーズ)
MF
長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)
柏木陽介(浦和レッズ)
永木亮太(鹿島アントラーズ)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(セビージャ)
山口螢(セレッソ大阪)
大島僚太(川崎フロンターレ)
FW
岡崎慎司(レスター・シティー)
本田圭佑(ACミラン)
小林悠(川崎フロンターレ)
原口元気(ヘルタ・ベルリン)
宇佐美貴史(FCアウクスブルク)
武藤嘉紀(マインツ05)
浅野拓磨(シュツットガルト)
(文・写真/大木雄貴)