世界ボクシング評議会(WBC)ミニマム級タイトルマッチ12回戦は4日、神奈川・パシフィコ横浜で行われ、王者・イーグル京和(角海老宝石)が挑戦者で同級6位の八重樫東(大橋)に3−0の判定で勝利し、4度目の防衛に成功した。八重樫は、日本人選手最速となるデビュー7戦目での世界王座奪取はならなかった。
 元WBCスーパーフライ級王者の川嶋勝重(大橋)は、韓国フライ級7位の明在成と対戦、3Rで3度のダウンを奪ってのKO勝利で、復活戦を飾った。
 元WBCバンタム級王者の辰吉丈一郎を超える最短世界王座奪取を目指した八重樫だったが、現実は厳しかった。
 試合前、八重樫が所属する大橋ボクシングジムの大橋秀行会長は「1RからKOを狙わせる」と強気だったが、1R、序盤からリズムのよい動きを見せる王者・イーグルに対し、挑戦者・八重樫はやや硬さが見られる。
 1R中盤、イーグルの右が八重樫の顔面を捉える。さらに終盤には強烈な右ストレートが2発続けざまに入り、八重樫の腰がガクッと落ちかけた。2Rには、激しく打ち合った際に偶然のバッティングで八重樫があごを痛めるアクシデント。試合後に両あごの骨折が判明する大きなダメージだった。
 リズムを失った八重樫は、その後、持ち味のスピードで反撃を試みるものの、10R、終了間際には、イーグルのカウンターの右フックで痛恨のダウンを喫する。勝負は判定となったが、119−107、119−107、118−108と大差のつく3−0で、イーグルが4度目の防衛を果たした。
 高校、大学とアマチュアのエリート街道を歩み、プロ入り後もここまで6戦6勝5KOの戦績を誇っていた八重樫だが、世界の壁にはね返された。

 終始冷静な試合運びで危なげなく戦い切り、王者の貫禄を見せたイーグルは「(八重樫は)スピードのある選手だが、まだ経験不足だ。これから伸びる選手」と挑戦者を労い、かねてより主張している世界ボクシング協会(WBA)王者・新井田豊(横浜光)との統一戦に向け「早く試合をやってほしい。これまで以上に自信がある」と意欲を見せた。

 川嶋、復帰戦で快勝! 王座返り咲き誓う
 WBCスーパーフライ級元王者の川嶋が、1月に同級の世界王座奪取に失敗して以来、約半年ぶりにリングに復帰。韓国フライ級7位の明在成に3RKO勝ちで、再起戦を飾った。
 気迫十分の川嶋は、1Rに右ストレートでダウンを奪うと、3Rにはラッシュを仕掛け、最後は強烈な右フックを相手に浴びせ、リングに沈めた。
 会場の歓声に応え、試合後の第一声は「ただいま」。続けて、「僕の右はまだまだ衰えていません。たくさんの人たちの言葉や気持ちで、またリングに上がる勇気をもらいました。もう若くないですけど、絶対にやってやります。絶対に世界チャンピオンになります」と力強く宣言した。

主な試合結果
<WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12R>
○イーグル京和(角海老宝石) ※WBC世界ミニマム級王者
判定3−0
×八重樫 東(大橋) ※WBC世界ミニマム級6位

<ライト級 8R>
○中森 宏(平仲BS) ※第50回全日本ライト級新人王、日本ライト級3位
判定3−0
×五十嵐 圭(つるおか藤) ※2004年A級トーナメント優勝、日本ライト級6位

<54.0契約ウェイト 8R>
○川嶋 勝重(大橋) ※元WBC世界スーパーフライ級王者
KO(3R1分39秒)
×明在成 ※韓国フライ級7位

<ライト・フライ級 8R>
○黒田雅之
TKO(2R1分48秒)
×ペッチ・サクルンルアン(タイ)