25年ぶりの優勝を決めてからも、カープは白星を積み重ねている。9月14日現在、2位巨人に15.5ゲーム差をつけている。

 

 残り試合とゲーム差を考えれば2位は巨人、3位は横浜DeNAでほぼ決まりだろう。カープは10月12日から始まるクライマックスシリーズファイナルステージで巨人とDeNAの勝者と対戦することになる。

 

 マークすべき選手は誰か。巨人では、目下、セ・リーグ首位打者の坂本勇人だろう。坂本はカープ戦でも3割5分1厘の高打率を記録している。

 

 短期決戦における鉄則は、キーマンを眠らせることである。場合によっては勝負を避けてもいい。下手に勝負して痛い目に遭うと、敵を勢い付かせることになる。

 

 DeNAではホームラン争いのトップに立っている4番の筒香嘉智だろう。3割8分、11本塁打、24打点とカープをカモにしている。

 

 今季の筒香は少々、タイミングを崩されても、簡単には凡打に倒れない。持ち前のパワーに加え、粘り強さも光る。

 

 ある球団の投手コーチが語っていた。「ピンチで筒香を迎えた場合は、“ヒットですめばOK”と割り切るしかない。浮いたボールは禁物。一振りで勝負を決められてしまう」

 

 大ブレークの陰にはアレックス・ラミレス監督の次の一言があった。

「1打席に1個はストライクが来る。その準備をしよう」

 

 カープのピッチャーは、この言葉を頭に叩き込むべきだろう。甘いストライクは禁物である。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


◎バックナンバーはこちらから