31日、体操女子団体の決勝が行われ、日本は166.646で8位に終わった。予選を6位通過した日本はチーム最年少、16歳の寺本明日香(レジックスポーツ)が全4種目に登場。寺本は安定した演技をみせ、予選に続いてチームを牽引したが、他の選手にミスがあり、得点が伸びなかった。金メダルは米国で、183.596と他を圧倒して1996年アトランタ大会以来の優勝。日本は前回成績(5位)を下回った。
 五輪で上位を狙うには致命的なミスは禁物だ。各国がハイレベルな演技で得点を競い合う中、日本は前半の失敗が痛手となり、決勝に進んだ8チーム中最下位に沈んだ。

 最初の平均台では、美濃部ゆう(朝日生命)が着地の際に回転不足で頭をついてしまった。続く床では田中理恵(日体大研究員)が序盤でラインの外に着地がはみ出て、大きく得点を落とした。「あり得ないミス。自分でもどうしてそうなったのか分からない」と田中も苦笑いするしかない内容だった。

 ただ、今後の個人総合や種目別に向けて、希望はある。ひとつは寺本の好調ぶりだ。予選でもすべての種目で14点台をマークした16歳はこの日も平均台、床、跳馬と日本チームトップの成績を残した。特に跳馬では難易度の高い2回ひねりを見事に決めている。「自分の演技に集中してできました。いい緊張感でできて良かった」と試合後は本人も笑顔を見せた。

 また前半の失敗を引きずることなく、後半の跳馬や段違い平行棒では、各選手がほぼノーミスの演技を披露した。北京五輪の代表でもある鶴見虹子(日体大)は「ひとりひとりが力を出せなかった」と反省を口にしつつも、「チームとしては雰囲気が良かった。演技はしやすかった」と振り返る。「笑顔がいっぱい」と鶴見が評する今回の代表メンバー。今度は納得のいく演技で心からの笑顔をみせる。